正社員の4割以上が「静かな退職をしている」!?
2025.07.07
20代では半数近い46.7%が「静かな退職をしている」
株式会社マイナビは、全国の企業・個人を対象に「正社員の静かな退職に関する調査2025年(2024年実績)」を実施し、その結果を4月に発表した。なお、「静かな退職」とは、やりがいやキャリアアップは求めずに、決められた仕事を淡々とこなすことを指している。2022年にTikTokでアメリカのキャリアコーチが提唱したことをきっかけに、この考え方がアメリカを中心にトレンドになっており、日本においても注目されているのは事実である。
調査結果によると、20~50代の正社員に「静かな退職」をしているか聞いたところ、「静かな退職」をしていると回答した割合は44.5%(そう思う14.5%とややそう思う30.0%の合計)と4割を超えた。年代別にみると、最も多かったのは20代で46.7%、次いで50代が45.6%。どの年代でも4割を超えており幅広い世代に広がっていることが明らかとなった。
調査結果によると、20~50代の正社員に「静かな退職」をしているか聞いたところ、「静かな退職」をしていると回答した割合は44.5%(そう思う14.5%とややそう思う30.0%の合計)と4割を超えた。年代別にみると、最も多かったのは20代で46.7%、次いで50代が45.6%。どの年代でも4割を超えており幅広い世代に広がっていることが明らかとなった。
静かな退職で得られたものは「休日や労働時間、自分の時間への満足感」
「静かな退職」をしている人に、「静かな退職」で得られたものがあるか聞いたところ、57.4%が「得られたものがある」と回答。具体的には、「休日や労働時間、自分の時間への満足感」(23.0%)が最多で、「仕事量に対する給与額への満足感」(13.3%)が2番目に多かった。
「静かな退職」をするようになったきっかけを自由回答で聞き、回答を分類すると、A不一致タイプ(仕事・環境の不適合による意欲低下)、B評価不満タイプ(評価・処遇に対する不平不満がある)、C損得重視タイプ(損得を考え静かな退職を実施)、D無関心タイプ(価値観として変化・上昇を求めない)の4つに分けることができた。きっかけはさまざまであり、その中でも注視したいのは損得重視タイプのコメントで、「お金のために働いているのでそれに見合った仕事はしているから」「コスパがいいので」などという企業側にとっては嬉しくない意見もあがっているのは気がかりではないだろうか。
同調査では、企業の中途採用担当者に「静かな退職」について賛成か反対か尋ねており、「賛成」は38.9%(賛成14.1%とどちらかといえば賛成24.8%の合計)で、「反対」の32.1%(反対14.6%とどちらかといえば反対17.5%の合計)を6.8ポイント上回っていた。静かな退職をしている人が会社にいることで成り立っている業務もあるし、キャリアアップを求めない働き方を選ぶ自由はあっていいと思っているようだ。もちろん業種や仕事内容、社風により企業側の賛否は分かれるという点は理解しておきたい。
「静かな退職」をするようになったきっかけを自由回答で聞き、回答を分類すると、A不一致タイプ(仕事・環境の不適合による意欲低下)、B評価不満タイプ(評価・処遇に対する不平不満がある)、C損得重視タイプ(損得を考え静かな退職を実施)、D無関心タイプ(価値観として変化・上昇を求めない)の4つに分けることができた。きっかけはさまざまであり、その中でも注視したいのは損得重視タイプのコメントで、「お金のために働いているのでそれに見合った仕事はしているから」「コスパがいいので」などという企業側にとっては嬉しくない意見もあがっているのは気がかりではないだろうか。
同調査では、企業の中途採用担当者に「静かな退職」について賛成か反対か尋ねており、「賛成」は38.9%(賛成14.1%とどちらかといえば賛成24.8%の合計)で、「反対」の32.1%(反対14.6%とどちらかといえば反対17.5%の合計)を6.8ポイント上回っていた。静かな退職をしている人が会社にいることで成り立っている業務もあるし、キャリアアップを求めない働き方を選ぶ自由はあっていいと思っているようだ。もちろん業種や仕事内容、社風により企業側の賛否は分かれるという点は理解しておきたい。
「不本意ながら静かな退職をしている人」を生み出さない工夫も必要
総評では、「静かな退職」のきっかけを分類した結果から、先ほどあげた仕事や環境の不一致や評価・処遇への不満、仕事環境などが要因で、不本意ながら「静かな退職」を選択している人がいることに着目しており、そのような人たちは不満を抱えながら働いている可能性が高いため、少しでも不本意な静かな退職者を生み出さないような工夫や制度改革の必要性を企業に向けて訴えている。
企業側としては自社に静かな退職をしている人が今後も一定割合いる前提で多様な価値観を受け入れるのと同時に柔軟な働き方を提供していくことこそが重要であり、自社の状況も今回の調査結果と比較しながら課題解決に向けて何らかの行動を起こすきっかけにしてもらうことができればよいのではないだろうか。
企業側としては自社に静かな退職をしている人が今後も一定割合いる前提で多様な価値観を受け入れるのと同時に柔軟な働き方を提供していくことこそが重要であり、自社の状況も今回の調査結果と比較しながら課題解決に向けて何らかの行動を起こすきっかけにしてもらうことができればよいのではないだろうか。

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/