出張や旅行のキャンセル費用は、どうカバーする!?

飯田 道子
2021.03.04

 未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症ですが、そのために出張や旅行等の変更を余儀なくされるケースがあります。そのような場合のキャンセル費用は、どのようになるのでしょうか? また、どのように対策したらいいのでしょうか?
キャンセル費用は自分で支払うのが原則だが…
 まず、押さえておくべきことはキャンセル費用の負担は誰がするべきか? ということです。GoToトラベルキャンペーンが一時停止延長となった際のキャンセル費用は、急遽、政府が負担することになりましたが、本来であれば、予約した本人が負担しますよね?

 今の時期は、旅行へ出かける人は少ないとは思いますが、急に出張が取りやめになってしまうこともありえるでしょう。交通費の場合、所定のキャンセル料を支払うことになりますが、飛行機などでは、航空会社にもよりますがフライト予約時にキャンセル保険に加入することができるところもあります。同じく宿泊についても、WEBサイトによりますが予約時にキャンセル保険に加入することができるところもあります。

 たとえばANAのキャンセル保険「そらもよう」の場合、悪天候による欠航のおそれの他、目的地におけるイベントの中止や延期、急な業務出張で予約したフライトを取り消し、払い戻しした際に発生する取消手数料および払戻手数料を補償してくれます。

 また、Yahoo!保険の旅行キャンセル保険や宿泊キャンセル保険の場合、緊急事態宣言が発令された、外出自粛要請に従ったことで旅行を取りやめた際には、キャンセル料の30%の補償が受けられます。また、新型コロナウイルス感染症に感染して、宿泊療養・自宅療養となって旅行を取りやめたときも同様に30%の補償が受けられるようになっています。
地域ごとの対応にも注意しておこう
 日本の場合、たとえ自粛期間中であったとしても、実質、どの地域へも移動することは可能です。ただ、地域によってはPCR検査を推奨している地域もあります。そのような地域に出向く時には、注意が必要です。

 たとえば沖縄の那覇空港では、2021年2月3日~3月末を目途にPCR検査プロジェクトを実施しています。これは沖縄県独自で行っているもので、国または県独自で緊急事態宣言が発令されている地域から沖縄へ渡航する人に対し、渡航前にPCR検査を推奨しているといものです。

 ただし、渡航前にPCR検査を受けていなくても希望する人は、那覇空港到着時にPCR検査を受けることが可能です(検査人数は1日あたり200名)。検査を受けるには事前申込が必要で、費用は7,000円(沖縄県民は5,000円)かかります(現金払のみ)。検査を受ける際には免許証等の証明書の提示が求められます。

 検査結果が出るまでにはある程度の時間がかかるのでスケジュールを立てる際はその点も考慮しましょう。午前採取分は当日午後3時以降に、午後採取分は翌日午後3時以降に結果を連絡してくれることになっています。

 一方、北海度の新千歳空港はじめ道内7空港では、道内の酪農業・畜産業等の保護のため、家畜伝染病侵入防止対策を実施しています。こちらはシンプルな方法で、空港ゲートのところに靴底消毒用マットを設置して靴底を消毒するというものです。

 急な出張等で渡航するときには、キャンセル費用の対策をするとともに、訪れる地を守ることを念頭にして行動したいものです。
参照:
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)

 金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
 海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。

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