職場で孤独を感じた経験「ある派」約7割

庄司 英尚
2025.08.25

職場での孤独感が及ぼす影響や対策についても調査している
 転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社の調査機関「Job総研」は、576人の社会人男女を対象に「2025年 職場の孤独実態調査」を実施した。

 職場で孤独を感じた経験を聞くと「ある派」が69.2%で、内訳は「とてもある」が18.2%、「ある」が26.2%、「どちらかといえばある」が24.8%となった。職場の孤独感が及ぼす影響や対策について年代別・男女別・役職別に調べているのが今回の調査の特徴でもあり、職場のメンタルヘルス不調などにも関係してくるところであり大変重要である。職場の孤独の傾向や影響をマネジメントにも活かしていきたい。
職場で孤独を感じた場面は「人間関係が希薄だと気づいた時」が最多
 職場で孤独を感じた経験ある派を年代別で見ると、50代が73.8%で最多となり、次いで30代が73.1%、20代が68.3%、40代が62.1%。同じく男女別では、男性が72.2%、女性が64.0%となった。

 また職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に、職場で孤独を感じた場面を聞くと「人間関係が希薄だと気づいた時」が34.8%で最多となり、次いで「職場で雑談が少ない時」が33.6%、「上司や同僚に相談しにくい時」が28.3%、「年齢や価値観の違いに気づいた時」が27.3%、「業務をほぼ一人で完結している時」が26.1%と続いている。
職場の孤独感によって「不安・ストレスを感じやすい」
 経験ありと回答した人に職場の孤独感が及ぼす影響を聞くと、「不安・ストレスを感じやすい」が40.1%で最多となり、次いで「職場への帰属意識が下がる」が38.3%、「モチベーションが下がる」が37.1%、「転職を考えるきっかけになる」が37.0%と続いている。孤独感は退職につながる要因にもなりかねないので、会社としても対策を講じなければならないところであるが、肝心の当事者たちはアンケートで職場の孤独感を拭う対策を「特に何もしていない」(30.3%)、「諦めた」(23.3%)という声が上位を占めており、なかなか厳しい状況にあるといえる。

 職場の孤独軽減策として必要なことを聞くと、「リラックスできる場所」(30.2%)、「気軽に会話できる対面の場」(28.1%)、「定期的な1on1面談」(21.7%)などを会社に望む意見が多くあったので、これらを参考にして状況に応じて複数組み合わせて取り組むのもよいだろう。

 昨今テレワークが定着している職場も増えてきているが、回答のコメントの中には「いつもテレワークだが久しぶりに出社をした。雰囲気に馴染めず、出社の方が孤独を感じると思った」という方もいたので、このような個人の意見も吸い上げながら、会社の経営幹部は社員の中に孤独感を感じている人がいないかを常に気にかけながらマネジメントしていく必要があるといえるだろう。
参照:
庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/

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