コロナ禍にも学生は海外を目指す!?

飯田 道子
2021.07.08

 2020年から1年以上にわたり終息の兆しを見せない新型コロナウィルス。私たちの生活様式も変わってきました。その影響は社会人のみならず、学生にも大きな影響を与えています。ただし、このコロナ禍を逆手にとって、キャリアアップを図る学生も中にはいます。
就活しても意味がない?
 大学では、徐々にオンラインから対面授業へとシフトしており、窮屈ながらも学生らしい生活が送れるようになってきました。

 とはいえ、大学生活を満喫できるのは2年生まで。3年生以上になると、就活を考えなくてはなりません。特に4年生の場合、来年の採用状況が厳しいと感じ、留学してキャリアアップする、語学力アップを目指す学生たちもいます。

 まさに逆転の発想ですね!
留学を受け入れてくれる海外の学校はあるの?
 大学によっては、提携校へ留学の斡旋をしているところもあるのですが、コロナ禍のため、多くのプログラムが中止になっています。もちろん、大学側が学生の安全を優先した結果です。

 ただし、学生からすると、このまま卒業しても就職難のレッドマーケットに突入するだけです。そのような状態が続くなら、時間を有効に使おう、キャリアアップしようと、海外へ目を向ける学生たちが増えてきました。

 ただ、タイミング的に正規に大学等に留学するのは難しく、多くの学生が語学留学を目標にしています。
留学できる国や地域はどこ?
 コロナ禍は世界中で起こっているのですが、感染状況やワクチン接種状況は国や地域によって違いがあります。

 たとえばカナダのブリティッシュコロンビア州の大学の場合、PCR検査を実施し、陰性で待機期間の2週間を無事に過ごすことができれば、留学を許可しています。

 また、語学留学で人気のイタリア・シチリア島の南に位置するマルタ共和国では、PCR検査が陰性なら、待機期間なしで学校のプログラムに参加することができます。

 ただし、文部科学省が示した方針では、感染症危険情報レベル3なら渡航中止勧告、レベル2なら不要不急の渡航中止勧告ですので留学の是非や延期の検討を勧めています。渡航可能なのはレベル1のみです。

 国や地域によって感染状況は違いますし、学校の方針にも違いがあります。行きたい留学先があるなら、国や地域の状況を確認したうえで学校に問い合わせてみましょう。ちなみに、先に紹介したカナダはレベル3ですが、現地の大学の判断として、学生を受け入れています。

 私たちはコロナ禍だから「できない」と考えることが多いのですが、コロナ禍だからこそ「できること」を考えて、行動することが必要なのかもしれませんね。
参照:
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)

 金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
 海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。

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