イデコの掛金の平均月額は約1万6,000円

森田 和子
2021.08.16

 定年が視野に入る世代だけではなく、若い世代でも多くの人が関心を寄せているのが老後資金作りです。個人型確定拠出年金のイデコ(iDeCo)は、税金面での優遇を受けられる私的年金の制度です。最近の加入状況について確認していきましょう。
加入者は200万人を突破
 確定拠出年金は、掛金を積み立てて自分で運用し、60歳以降に年金を受け取る制度です。自助努力による老後資金作りとして国が支援しているため、積み立てる時も、資金を運用している間も、老齢給付金を受け取る時も税金面で優遇されます。

 企業型と個人型があり、企業型については勤務先に制度がある人だけが利用できます。一方、イデコの名称で知られる個人型は20歳以上60歳未満の人であればほぼ全ての人が利用できます。日頃のコンサルティングを通しても、興味のある人は多いと感じます。

 イデコに加入する人は増えており、国民年金基金連合会の発表によると、2021年5月時点の加入者数は201万4,505人で、加入者の種別による内訳は以下になります。
自営業者・フリーランスなど(第1号被保険者):22万7,157人
会社員・公務員など(第2号被保険者):170万7,780人
会社員・公務員などに扶養される配偶者(第3号被保険者):7万9,568人
毎月の掛金は1万円~1万5,000円未満が最多
 イデコの掛金は、加入者の種別によって上限額が決められています。自営業者・フリーランスなど(第1号被保険者)は月額6.8万円(年額81.6万円)まで、会社員・公務員など(第2号被保険者)は勤務先の年金制度などに応じて月額1.2万円(年額14.4万円)~月額2.3万円(年額27.6万円)まで、会社員・公務員などに扶養される配偶者(第3号被保険者)は月額2.3万円(年額27.6万円)までとなります。

 毎月の掛金で最も多いのが月額1万円~1万5,000円未満、次いで2万円~2万5,000円未満です。全体の平均額は1万5,811円で、種別ごとの平均額は以下の通りです。
自営業者・フリーランスなど(第1号被保険者):2万7,783円
会社員・公務員など(第2号被保険者):1万4,245円
会社員・公務員などに扶養される配偶者(第3号被保険者):1万5,029円
 イデコの掛金は月額5,000円から始められ、1,000円単位で自由に設定できます。原則60歳以降でなければ資産を引き出せないことには注意が必要ですが、メリットの多い有利な制度なので、まだ加入していない方は一度検討してもよいのではないでしょうか。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/

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