令和6年度補正「先端技術活用メンタルヘルスサービス開発支援事業費補助金」に係る補助事業の公募開始

佐々木 篤史
2025.06.30

 経済産業省では、職域における心の健康の保持増進(職場のメンタルヘルス対策)について、企業が取り組むべき重要な課題とし、企業の「心の健康投資」を支えるサービス導入促進事業の取組を進めています。詳細は下記となります。
事業の背景・目的について
 日本の生産年齢人口(15~64歳)は2050年には5,200万人(2020年比30%減少)となる見通しで、労働力の確保と労働者の生産性の向上は継続的に取り組むべき重要な課題です。一方で、仕事や職業生活に関して強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者の割合は82.7%となっています。

 職場によるストレスは労働者の健康のみならず、モチベーションの低下、離職・休職を招き、組織の生産性にも影響を及ぼします。しかし、従業員のメンタルWell-being向上に取組むことで、業績や従業員エンゲージメントの向上にもつながり得ます。こうした従業員の「心の健康」を支援するための機能は、仕事や組織のパフォーマンスを上げるために企業として取り組むべきものです。 職場のストレスチェック制度の実施事業所の割合は41.4%、労働者向け教育21.2%、管理監督者向け教育19.4%、職場環境改善31.1%、職場復帰支援プログラム16.0%、相談体制の整備28.7%と低調であり、さらなる取組の普及が必要です。

(厚生労働省,令和5年「労働安全衛生調査(実態調査)」)

 近年開発が進んでいる先端技術を活用したメンタルヘルスサービス(以下、「サービス」)は、たとえば、大規模なデータを用いたメンタルヘルス問題の早期発見や予測、個別最適化された介入メニューの提供なども提供しており、企業による従業員に対しての「心の健康」を支援するための機能を十分に持ち合わせています。

 とはいえ、実際には新たなサービスはまだ広がっているとはいえず、実績や効果検証のデータも不十分な状況にあります。そこで本事業では、特にメンタルヘルス対策の取組割合が低い傾向にある中小企業を対象にサービス導入を補助し、中小企業の「心の健康投資」を拡大していきます。導入した企業はサービスの効果検証データの収集に協力し、サービス効果の根拠の構築を行います。なお、導入補助の対象となるサービスはすでに公募の上決定済であり、複数のサービスから導入を希望するサービスを選択します。
交付申請の対象となる中小企業
 交付申請の対象となる中小企業は、以下の通りです。
業種分類 定義
①製造業、建設業、運輸業 資本金3億円以下の会社
又は従業員の数が300人以下
②卸売業 資本金1億円以下の会社
又は従業員の数が100人以下
③サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く) 資本金5千万円以下の会社
又は従業員の数が100人以下
④小売業 資本金5千万円以下の会社
又は従業員の数が50人以下
⑤ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工場用ベルト製造業を除く) 資本金3億円以下の会社
又は従業員の数が900人以下
⑥ソフトウェア業又は情報処理サービス業 資本金3億円以下の会社
又は従業員の数が300人以下
⑦旅館業 資本金5千万円以下の会社
又は従業員の数が200人以下
⑧その他業種(上記以外) 資本金3億円以下の会社
又は従業員の数が300人以下
⑨医療法人、社会福祉法人 従業員数300人以下
⑩学校法人 従業員数300人以下
⑪商工会・都道府県連合会及び商工会議所 従業員数100人以下
⑫中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者
⑬特別の法律によって設立された組合又はその連合会 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者
⑭財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者
⑮特定非営利法人 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者
補助対象経費
 本事業においては、サービスの利用にかかるサービス利用料のみを補助対象経費とします。 たとえば、認知行動療法やマインドフルネス等の心理学の理論を取り入れたデジタルサービス、サーベイや生体情報等を活用して心の健康に関する組織や個人の状態を把握し改善するデジタルサービス、チャットボットやVR技術を活用したカウンセリングサービス等が対象となります。
補助上限額
補助対象経費 補助率 補助額
サービス利用料 1/2以内 上限300万円
公募期間
2025年6月10日(火)~2025年7月17日(木)正午(12時)
公募要領は、順次改訂されることがありますので、今後変更となる可能性がございます。
詳細は事務局のホームページ等をご確認ください。
佐々木 篤史(ささき・あつし)
セブンスターズコンサルティング株式会社 代表取締役
株式会社メディカルプランインターナショナル 代表取締役
NPOランチェスター協会 理事 認定インストラクター
ランチェスター戦略 学会 理事
(一社)日本内部監査協会 金融内部監査士 IIA会員
全米NLP協会  認定 マスタープラクティショナー
日本NLP協会  認定 セールスプロフェッショナルトレーナー
日本生産性本部 生産性賃金管理士
1966年生まれ。京都市出身。国内・外資の保険会社での勤務後、2017年にセブンスターズコンサルティング株式会社を設立し、保険代理店経営研究所として、次世代代理店経営塾、保険代理店態勢整備研究所などを運営し、監査・態勢整備サービス、人事評価・賃金制度導入支援、営業研修等のバランスよく実践する代理店ブランド構築支援をしている。
会社ホームページ:https://sevenstars-consulting.com

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