相続が発生してから4か月以内に準確定申告書を提出

今村 京子
2021.09.16

準確定申告とは?
 年の中途で死亡した人の場合、相続人(包括受遺者を含む。以下「相続人等」)が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければならないが、これを「準確定申告」という。

 準確定申告をする場合には、いくつかの注意点がある。
相続人等が2人以上いる場合
 相続人等が2人以上いる場合、各相続人等が連署により準確定申告書を提出する必要がある。準確定申告書には、各相続人等の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した準確定申告書の付表を添付し、被相続人の死亡当時の納税地の税務署長に提出する。

 ただし、レアケースだが他の相続人等の氏名を付記して各人が別々に提出することもできる。この場合、当該申告書を提出した相続人等は、他の相続人等に申告した内容を通知しなければならない。
準確定申告における所得控除の適用
 所得控除の一つである医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに被相続人が支払った医療費であり、死亡後に相続人等が支払ったものを被相続人の準確定申告において医療費控除の対象に含めることはできない。こちらは相続税の申告において債務控除の対象となる。

 社会保険料、生命保険料、地震保険料控除等の対象となるのは、死亡の日までに被相続人が支払った保険料等の額となるので、通帳や納付書等で確認する。

 また、配偶者控除や扶養控除等の適用の有無に関する判定(親族関係やその親族等の1年間の合計所得金額の見積り等)は、死亡の日の現況により行う。なお、配偶者控除額、配偶者特別控除額及び扶養控除額の月割計算等はしない。

 年金受給者の場合には年金の源泉徴収票を入手する必要があるが、年金の受給停止手続きを取ってから2~3か月要するため、早めに受給停止の手続きを行っていただきたい。日本年金機構のHPによると、「日本年金機構では、相続人の申請に基づき、年金受給者の死亡日までにその方に支払った、その年分の年金に係る源泉徴収票を交付します(死亡届提出者あて自動的に送付)。」とされているので、急ぎの場合は各年金事務所に依頼されたい。

 この他、必要に応じ各種届出書の提出が必要となるので、ご注意いただきたい。
今村 京子(いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。
平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。
年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。

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