労働施策総合推進法の改正を切り口とした法人へのアプローチ

高橋 義人
2026.04.23

労働施策総合推進法の改正ポイントは3つ
 皆さんは、労働施策総合推進法という法律をご存じでしょうか。正式名称を「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」といい、1966年7月1日に労働者が生きがいを持って働ける社会を実現することを目的に施行されました。

 その後、幾度となく改正が繰り返されてきたのですが、2026年4月から大きな改正が施行されていることをご存じだったでしょうか。

 2026年4月1日の改正のポイントは、以下の3点になります。
 1つ目は「ハラスメントに対する対策の強化」、2つ目は「女性活躍の推進」、3つ目は「治療と仕事の両立支援の推進」です。
 1つ目と2つ目については義務化されることとなり、3つ目については努力義務となっています。
「努力義務」は努力を義務付けるもの
 さて、「治療と仕事の両立支援」と聞くとピンとくる方もいらっしゃると思います。2025年にこのコラムでも4回にわたり「がん治療と仕事の両立支援」をテーマに、「国のがん対策を切り口とした法人へのアプローチ」についてお話しさせていただきました(※注目のトピックス NO.4864488048984910参照)。

 これまで掲載した記事では、がんに罹患し、治療を行っている従業員さんの雇用を継続できるような社内整備を行うという主旨のお話をしましたが、今回の労働施策総合推進法の改正ではがんに限定することなく、原因を問わず職場における治療と仕事の両立支援を実現するための社内整備を行うことが努力義務となっています。

 努力義務は「義務規定」とは異なり、「目標に向かって努力すること」を義務付けるものです。「義務規定」とは異なり(努力を)行わなかった場合の特段の罰則規定はありませんが、法律上の努力義務ということであれば一定の強制力があると考えるべきだと思います。「治療と仕事の両立支援」の話をする際には、「努力義務となっているため法律上の罰則規定はありませんが、法律上の努力義務ということは、努力を怠ると行政指導や損害賠償請求を受けたりする可能性がありますので、『やりなさい!』ということですよね。」というような話し方でお話をしても良いと思います。

 具体的なアプローチ話法としては、以下のような流れで良いと思います。
2026年4月から、労働施策総合推進法の改正により「治療と仕事の両立支援の推進」がすべての事業主の方に対して努力義務化された。
努力義務なので特段の罰則規定はありませんが、法律上の努力義務ということは、努力を怠ると行政指導や損害賠償請求を受けたりする可能性がありますので、「やりなさい!」ということですよね。
具体的に何をしなくてはいけないのか。がんを例に考えてみましょう。
 ここからは2025年に掲載した、改正がん対策基本法に沿った3つの事業主の努力義務についてのお話をしていただければ良いと思います。
(前述※の注目のトピックス参照)

 従業員さんのための「治療と仕事の両立支援」をやらなくてはいけませんが、それと一緒にもう1つ考えなくてはいけないことがありますよね。
 それは社長さん自身のことです。
 「この機会に、会社を守るために必要なご自身の保障について一緒に考えてみましょう!」と、社長さんにはお伝えしましょう。
 そして、国の政策をしっかりと理解し、法人へのアプローチに活用してください。

 今回は「4月1日に改正された労働施策総合推進法の改正を切り口とした法人へのアプローチ」についてお話しさせていただきました。
高橋 義人(たかはし・よしひと)
株式会社M&Fパートナーズ 代表取締役
一般社団法人 健康事業支援機構 医療コーディネーター
ユニバーサルライフ株式会社 執行役員 東京第2支社長

1988年明治大学卒業後、外資系大手生命保険会社に23年間勤務。静岡・埼玉・大阪にて支社長を務め、2011年に独立。
その後、「がん治療とお金」のコンサルティング会社を設立し、現在に至る。
医療コーディネーターとしてがん患者と向き合い、患者目線に立った治療に関する情報提供・病院紹介・治療紹介・病院へのアテンド等の患者支援活動の傍ら、セミナー講師としてがん患者の目線に立ったがんに関する様々な講演を、日本全国で毎年150回以上行っている。
ホームページ https://mfpartners.co.jp

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