子育て世帯に対する一般生命保険料控除の要点

常國 誠一郎
2026.04.27

 令和8年分および令和9年分の所得税において、23歳未満の扶養親族を有する場合には、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の適用限度額が、4万円から6万円に引き上げられます。具体的な控除額の計算式は以下の表のとおりです。
(改正前)
年間の支払保険料 控除額
20,000円以下 新生命保険料の全額
20,000円超40,000円以下 新生命保険料×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下 新生命保険料×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円
(改正後:23歳未満の扶養親族あり)
年間の支払保険料 控除額
30,000円以下 新生命保険料の全額
30,000円超60,000円以下 新生命保険料×1/2+15,000円
60,000円超120,000円以下 新生命保険料×1/4+30,000円
120,000円超 一律60,000円
全体の適用限度額は12万円で、住民税の改正はなし
 一般生命保険料控除が拡充する一方、改正されない以下の2点を認識しておくことが大切です。
①全体の適用限度額は「12万円」のまま
 一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の合計適用限度額は現行の12万円から変更ありません。複数の生命保険に加入し、すでに12万円の限度額に達している場合は、今回の改正の影響はありません。
②住民税の改正は「なし」
 今回の改正は、所得税のみの改正です。住民税の適用限度額に変更はありません。
共働き世帯の場合は夫婦それぞれに適用
 本特例に関連する通達(租通41の15の5-1)では、「年齢23歳未満の扶養親族が、2以上の居住者の年齢23歳未満の扶養親族に該当する場合において(中略)これらの居住者はいずれも年齢23歳未満の扶養親族を有することとなることに留意する」と記載されています。

 言い換えると、共働きで子どもがいる世帯は、夫婦どちらも23歳未満の扶養親族を有する取扱いとなるということです。つまり、税務上の扶養がどちらについているかは関係がなく、夫婦それぞれが今回の特例の適用を受けることができます。

 また、23歳未満の扶養親族を有する居住者は「親子」に限定されているわけではありません。生計を一にする親族の中で、23歳未満の扶養親族がいる場合には、両親に限らず対象となります。
最後に
 労働政策研究・研修機構の発表によると、2025年の共働き世帯数は1,333万世帯、専業主婦世帯数は476万世帯となっており、その差はますます広がるばかりです。

 共働き世帯では、夫婦それぞれが適用を受けることができますので、年末調整や確定申告で「漏れ」が起きないように注意しなければいけません。
参照:
(セールス手帖社 常國誠一郎)

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