子供のオンラインゲーム課金のトラブルを防ぐ方法

森田 和子
2021.12.09

 子供が保護者の許可なくオンラインゲーム課金をしてしまうトラブルが急増しています。外出を控えて自宅で過ごす時間が長くなり、スマホやタブレット端末、ゲーム機などでオンラインゲームをする時間が増え、課金の増加につながったと考えられます。トラブルの傾向と、未然に防ぐ方法を確認していきましょう。
コロナ禍でトラブルが急増
 独立行政法人国民生活センターは、子どものオンラインゲーム課金のトラブル防止についての資料を発表しています。オンラインゲームに関する相談のうち契約当事者が小・中・高生の相談件数は、2019年に2,557件であったのが、2020年には3,723件まで増えています。2020年の内訳をみると、小学生1,858件、中学生1,374件、高校生491件となっており、年齢が低い層でトラブルが多いことがわかります。
トラブルの最多は小学生
 中でも、小学生のトラブルが増加しており、前年の1.57倍にもなっています。具体的な相談事例として以下が挙げられています。
小学生の子どもが、友達に「キャリア決済を使うとお金がかからない」と教えられ、スマホでオンラインゲームに高額課金していた。
小学生の子どもがオンラインゲームで150万円以上も課金していたが、決済完了メールが子どもに削除されていたため気がつかなかった。
小学生の子どもが、父親のアカウントを使って家庭用ゲーム機で遊び、アカウントに登録されていたクレジットカードを利用して課金していた。
一度だけ課金するためにスマホにクレジットカードを登録したところ、小学生の子どもが 30万円以上も課金してしまった。年齢確認画面で「20歳以上」を選択していたようだ。
 保護者は「スマホを持たせただけ」、子どもは「ゲームをしただけ」の気軽な意識であっても、課金による高額請求につながる場合のあることがわかります。
課金を防ぐ・気づく設定でトラブルを防止
 トラブルの事例から以下の問題点が指摘されています。
両親や祖父母など、保護者のスマートフォン端末を子どもに使わせている。保護者用アカウントでログインした家庭用ゲーム機を子どもに使わせている。
決済時のパスワードを設定していなかった。クレジットカードの管理が十分ではなかった。
決済完了メールを見落としていたため、課金に気づかなかった。
子ども自身にお金を使っているという認識がない。
 まだお金の知識も十分ではない子供がオンラインゲームをする場合には、トラブルを防止する仕組みが必要です。子供の「課金を防ぐ」「課金に気づく」ために、事前に保護者のアカウントの設定を確認しましょう。オンラインゲームで課金する場合のルールを家族で話し合っておくことも大切です。
 また、未成年者が保護者の承諾なくオンラインゲームの課金をしてしまった場合は未成年者契約の取消しが可能な場合があります。トラブルが生じた場合だけでなく、不安を感じた場合でも、消費生活センター等へ相談するようにしましょう。消費者ホットライン(電話番号「188(いやや!)」)では、最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センター等を案内してもらえます。
参考資料:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/

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