知っておきたい新しいGoToトラベル

飯田 道子
2021.12.13

 日本では、新型コロナが落ち着きを見せ、いよいよ経済を回す段階へと進みつつあります。そんな中、再び浮上しているのがGoToトラベル事業(以後、GoTo)です。正式な開始日は発表されていませんが、その内容はわかってきました。新たな給付内容はどのようになっているのか、利用するときにはどのような点に注意すべきかを確認してみましょう。
平日のほうがお得になるシステムに!
 今までは一律で同じ割合で補助を受けることができましたが、新しいGoToであるGoTo2.0では、人々の動きを分散させるためにも、平日に旅行するほうがお得になるように改正されています。

 まず、旅行代金の割引率は30%。割引額の上限は、日帰りは3,000円、宿泊は7,000円、交通付き宿泊は1万円です(宿泊の場合1泊あたり)。

 また、旅行先で利用できる地域共通クーポン(1泊あたり)は、平日は3,000円、土日祝は1,000円とすることが発表されています。

 ただし、GoTo2.0では、ワクチン検査パッケージが導入されます。利用するときには、以下の2点のどちらかを証明できるものと、さらに本人確認書類(免許証など)の提示が必要です。
ワクチン接種済であることを証明するもの
予防接種済証・接種記録書・接種証明書は、撮影した画像や写しを提示してもOK(2回目接種から要14日以上経過)
検査結果が陰性であることを証明するもの
検査結果通知書(PCR検査は確認日の3日前以降、抗原定性検査は前日または当日)
段階的に割引率が下がる
 以前のGoToの場合は、財源があるうちは一律となっていましたが、GoTo2.0では、割引率が段階的に下がっていく仕組みです。

 開始日は2022年1月中下旬~2月からの見込み(オミクロン株の感染拡大によっては見直される可能性あり。また春休みとGW期間は割引対象外となる模様)です。開始からGW前まで(国による事業)は上記の内容のままですが、GW後から夏の繁忙期前まで(都道府県に事業を移管)は割引率が20%となります。その場合の割引額の上限は、日帰りは2,000円、宿泊は5,000円、交通付き宿泊は8,000円、地域共通クーポンはトータルで3,000円です。

 ただ、これはあくまでも上限であり、地域の実情によって割引率を柔軟に設定できる仕組みになっています。つまり、同じ宿泊料であっても、行く地域によって、割引額が変わってしまうことになります。
県民割も活用しよう
 GoToに代わって利用できるのが、県民割です。県民割は、自分が住んでいる県内を旅行するときに利用できる割引サービスであり、複数の自治体で取り組まれています。

 例えば東京都も東京都民割「もっとTokyo」を再開する方向で進んでいます。内容としては、1泊5,000円、日帰り2,500円を補助する割引キャンペーンで、宿泊の場合の上限は1回の旅行につき1人5泊まで。GoToとの併用可。利用制限なしとなっています。

 その他、特定の地域による割引や、宿泊施設独自の割引などもありますので、行きたい地域、宿泊施設が決まっているなら確認してみましょう。
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)

 金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
 海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。

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