違法なヤミ金融とは

森田 和子
2022.02.07

 少しお金を借りたい時に、手軽に借りられそうなところから借りてしまったら、相手は違法なヤミ金融だったというケースがあります。法外な利息を支払わされるなどの被害にあわないために、どのようなことに気を付けたらよいのかについて確認しておきましょう。
ヤミ金融とは
 消費者金融などの貸金業者は、法律にもとづいて登録を受け、定期的に更新することが定められています。この登録を行わずに営業したり、違法な取立てを行ったり、法外な利息を要求する業者が「ヤミ金融」と呼ばれています。ヤミ金融の中には、免許を受けていないにもかかわらず「バンク」、「信託」などの文字を名称に入れているところもあります。

 法律では、勤務先に電話や訪問を行うことや、お金を借りた人や連帯保証人以外の人に対して、代わりに返済を要求することなどは禁じられています。また、上限の利息が定められており、元本が10万円未満の場合は年20%まで、10万円以上100万円未満の場合は年18%まで、100万円以上の場合は年15%までが上限となっていますが、ヤミ金融では違法な取立てが行われたり、法外な利息を請求されたりする場合があります。

 高い利息を要求され、支払えないと別のヤミ金融を紹介されて借金を重ねるという負の連鎖に陥らないためにも、ヤミ金融を見抜いて利用しないように注意する必要があります。
個人間融資の掲示板も
 ヤミ金融はさまざまな方法で近づいてきます。手軽な給料の前払いとして勧誘し、高金利でお金を貸すのが「給与ファクタリング」です。年率換算で数百~千数百%になる手数料を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった悪質な取立ての被害を受けたりする危険性があり、生活が破綻するおそれがあるとして金融庁も注意を呼びかけています。

 また、SNSやウェブサイトの掲示板を通じて金銭の貸し借りをする「個人間融資」にも注意が必要です。個人を装ったヤミ金融業者により違法な高金利での貸付けが行われるほか、個人情報が悪用されるなどして、更なる犯罪被害やトラブルに巻き込まれる危険性があります。
業者の登録情報を確認
 貸金業法にもとづいて登録をした業者には登録番号があり、消費者金融などではホームページにも表示しています。しかし、ヤミ金融の中には、登録番号を詐称して表示する業者もいるようです。登録番号の情報は金融庁のホームページから検索できるようになっているので、貸金業者を利用する場合には、信頼できる業者であるかを確認すると良いでしょう。

 ヤミ金融の被害にあってしまった場合には、最寄りの警察や消費生活センターなどに相談してみましょう。自治体の中には専用の相談窓口を設けているところもあります。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/

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