消費貸借契約書に係る印紙税の非課税措置とは

浅野 宗玄
2022.04.18

新型コロナで経営に影響を受けた事業者が対象
 国税庁はこのほど、WEBサイト上に「消費貸借契約書に係る印紙税の非課税措置について」と題した記事を掲載し、特定事業者に対して行う一定の金銭の貸付けに係る消費貸借契約書のうち、令和5年3月31日までに作成されるものについて、印紙税が非課税となることの周知を図っている。

 特定事業者とは、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者のことで、例えば、事業者又はその親族、従業員等が新型コロナウイルス感染症に感染したことによる影響のほか、イベント開催又は外出等の自粛要請、入国制限、賃料の支払猶予要請等の各種措置による影響等により、収入の減少又は売掛債権の固定化等その経営の状況が悪化した事業者をいう。
非課税措置を受けるための要件
 非課税措置の対象となる消費貸借契約書とは、特定事業者に対して、公的貸付機関等(地方公共団体、政府系金融機関等)又は金融機関(銀行、信用金庫、信用協同組合等の民間金融機関)が他の金銭の貸付けの条件に比べ特別に有利な条件で行う金銭の貸付けに際して、次の(1)から(4)までのすべての要件を満たす金銭の貸付けに関して作成されるものをいう。

 その要件とは、(1)金銭の貸付けを受ける者が新型コロナウイルス感染症等により経営に影響を受けた事業者であること、(2)金銭の貸付けを行う者が、公的貸付機関等または金融機関であること、(3)新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けたことを条件として行う金銭の貸付けであること、(4)他の金銭の貸付けの条件に比し特別に有利な条件で行う金銭の貸付けであること。
既に印紙税を納付している場合は還付可能
 なお、印紙税が非課税となる消費貸借契約書について、既に印紙税を納付している場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を税務署に提出し、税務署長の過誤納確認を受けることにより、その納付された印紙税額に相当する金額の還付を受けることができる。提出の際は、できるだけ郵送での提出を要請している。また、過誤納となった契約書等(原本)を提示又は過誤納となった事実を金融機関等が証明した書類(原本)を提出する必要がある。
参考資料:
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト

1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍『生命保険法人契約を考える』
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.php

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