iDeCoの手数料改定で何が変わる?

高橋 浩史
2026.06.04

 国民年金基金連合会から、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金拠出時の手数料見直しが発表されました。制度改定の概要と利用者への影響を整理しておきます。
2027年から変わるiDeCoの手数料
 iDeCoでは、加入時や運用期間中に各種手数料が発生します。今回改定されるのは、掛金を拠出するときの手数料です。現在、加入者が国民年金基金連合会に対して支払う手数料は、掛金拠出1回あたり105円です。

 この手数料が、2027年1月26日の口座引落分から「月額120円」に変更されます。例えば毎月掛金を拠出している人の場合、年間の手数料は現在の1,260円(105円×12回)から1,440円(120円×12カ月)となり、年間180円増えます。

 影響が大きいのは、「年単位拠出(月別掛金)」を利用している人です。iDeCoでは、掛金を年1回や数回にまとめて拠出することも可能ですが、現在は拠出時のみ手数料が発生する仕組みです。例えば年1回拠出なら、手数料は年間105円で済みます。

 しかし、改定後は実際の「拠出回数」ではなく「拠出期間」に応じて月額120円が発生します。そのため、年1回まとめて拠出していても、12カ月分として年間1,440円の手数料がかかることになります。
利用者が確認したいポイント
 手数料の引上げによって、「iDeCoはもうメリットがない」と考えてしまうかもしれません。しかし、そんなことはありません。iDeCoには、掛金が全額所得控除になることや、運用益が非課税になることなど、税制面での大きなメリットがあります。

 ただし、今後はこれまで以上に「コストを意識した活用」が重要になるでしょう。特に、手数料を抑える目的で年1回拠出を選んでいた人にとって、改定後はそのメリットがほぼなくなります。むしろ、毎月拠出(積立て)の方が、時間分散による投資効果を得やすくなるかもしれません。

 また、iDeCoでは国民年金基金連合会への手数料以外に、事務委託手数料や金融機関ごとの運営管理手数料が発生する場合があります。運営管理手数料を無料にしている金融機関も多くありますが、数百円単位でかかる金融機関もあります。

 なお、2026年12月にはiDeCoの加入可能年齢の引上げや、掛金の上限拡大も予定されており、制度全体としてはより利用しやすい方向へと見直されます。

 iDeCoは長期運用を前提とした制度です。だからこそ、運用商品だけでなく、手数料や制度変更も含めて定期的に確認することが大切です。今回の改定を機に、積立方法や利用金融機関を再確認することも必要でしょう。
参考:
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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