新型コロナ禍の生活を支えるための支援について

森田 和子
2022.04.28

 新型コロナ感染症の影響が長期化する中で、生活する上で困難な状況に置かれてしまう場合があります。公的な支援制度には様々なものがあるので、使える制度があれば利用することを考えてみましょう。

 厚生労働省は、個人や事業者が利用できる手当や助成金などの支援策や、困りごとに応じた相談窓口の一覧を分かりやすくまとめたリーフレット「生活を支えるための支援のご案内」を作成し、ホームページ上で公表しています。生活費、住居費などが支援される生活保護制度や、会社員が病気やケガで休む場合に支給される傷病手当金など、多くの制度について紹介されています。今回はその中から「償還免除付のひとり親家庭住宅支援資金貸付」と「小学校休業等対応支援金」の内容について確認してみましょう。
償還免除もあるひとり親家庭住宅支援資金貸付
 「償還免除付のひとり親家庭住宅支援資金貸付」は、貸付とはいえ、条件を満たせば返済する必要がないという有利な制度です。児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあるひとり親家庭の方で、母子・父子自立支援プログラムの策定を受け、自立に向け意欲的に取り組む方が対象です。家賃など住居の借上げに必要となる資金について、月4万円×12ヵ月を上限として無利子で貸付が受けられ、 1年就労継続なら一括償還免除されます。
フリーランスの保護者への支援金
 「小学校休業等対応支援金」は、委託を受けて個人で仕事をする方向けとされているので、いわゆるフリーランスで働く保護者が利用できる制度です。

 新型コロナウイルス感染症の影響により、小学校等が臨時休業等した場合などに、子供の世話を行うために、契約した仕事ができなくなった個人で仕事をする保護者へ支援金が支給されます。対象期間は2022年1月1日~6月30日です。
【仕事ができなかった日による支給額】
(1)
2022年1月1日~2月28日⇒1日当たり5,500円(申請期間は同年5月31日まで)
(2)
2022年3月1日~6月30日⇒1日当たり4,500円(申請期間は同年8月31日まで)
 申請する仕事ができなかった期間中に緊急事態宣言の対象区域又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域に住所を有する方は1日当たり7,500円に引き上げられます。
困りごとに応じた窓口の一覧
 リーフレットには相談窓口も紹介されています。解雇や雇止めについては各都道府県労働局に「特別労働相談窓口」、心の健康については「精神保健福祉センター」、DVについては「DV相談ナビ」というように、これらの他にも内容に応じた相談窓口が多数掲載されており、それぞれの詳しい内容を確認できるようになっています。

 困難な状況にあるとき、困難な状況になりそうな時には、それ以上の無理をしないで、適切な支援が受けられるよう早めに相談しましょう。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/

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