Z世代の約7割が新入社員研修に満足

庄司 英尚
2022.06.06

満足の理由、半数近くが「研修内容の充実」を挙げる
 株式会社manebiは2022年4月13日に、2021年卒で入社した若手社員を対象に、「Z世代の研修」に関する実態調査を発表した。調査期間は2022年3月29・30日で、105名から回答を得ている。

 調査結果によると「あなたが経験した研修を、現在振り返った上での満足度を教えてください」という質問に対しては、「かなり満足している」が7.6%、「やや満足している」が62.9%という回答で、Z世代の約7割が満足していることがわかった。満足と回答した人に理由を尋ねたところ、「研修内容が充実していたから」が48.6%で最多、次いで「研修の内容が大幅に業務に生かされているから」が23.0%、「研修の難易度が自分に合っていたから」が23.0%という回答となった。

 2022年卒の新入社員が研修を行っている最中という会社も多いと思われるが、Z世代の新入社員の声をヒントにして今後の研修に活かしてもらいたいところである。
会社への帰属意識高まった67.5%
 「研修を実施した経験により、会社への理解や帰属意識は高まったとおもいますか」という質問に対しては、「かなりそう思う」が13.2%、「ややそう思う」が54.3%という回答で、7割近くが研修により「会社への理解や帰属意識が高まった」ことを実感していた。

 一方で、研修に対する不満についての質問には、「オンライン研修で同期と仲良くなる機会が少なかった」が31.4%、「自分のためになるのかが分からない」が24.8%、「アフターフォローが充実していない」が21.9%という回答。コロナ禍で普及したオンライン研修のデメリットの部分が明らかになった。研修は学ぶことも重要であるが、交流の機会にもなっており、その点は今後の課題として受け止めていきたい。
コミュニケーションを大切にすること
 研修に対して求めること・要望についての質問には、「対面のコミュニケーションを活性化させてほしい」が41.9%、「研修中の手厚いサポートが欲しい」が35.2%、「必要以上に厳しい指導は避けて欲しい」が30.5%という回答となった。「求めること・要望」があると答えた人に具体的に回答(自由記述)してもらったところ、「今後の仕事に役に立つ研修をしてほしい」、「同期との仲が深まる研修がいい」、「自分で好きな時間にできるようにして欲しい」、「楽しいグループワークがいい」などの意見が上がったことも併せて参考にしたい。

 この調査でZ世代は研修内容の満足度が高いことが判明したが、一方で、コミュニケーションに物足りなさを感じているようだ。オンラインであっても、対面と同様に上司や先輩、同期と親睦を深められるようなコミュニケーションが求められているといえよう。

 自分の所属についての研修の少なさや、自己学習の時間の長さなどに関する不満の声もあったので、今後は「コミュニケーション」を大切にすること、そして実務に直結する研修内容を設計できるかが重要であると最後にまとめており、この調査結果を参考に自社の研修内容の見直しを検討してもよいかもしれない。
参照:
庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/

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