コロナ禍で飼い主増加中、ペットにまつわるあれこれ

加藤 悠
2022.06.30

 新型コロナウイルスも、年初のオミクロン株による爆発的な感染拡大に見舞われた第6波の状況と比べると徐々に収まってきつつありますが、まだまだ、収束は見えてきていません。そんなコロナ禍による「巣ごもり生活」でペットを飼い始めた、という方も多いのではないでしょうか?
ペット保険の市場拡大中
 日本損害保険協会の統計によると、「ペット保険」による正味収入保険料は、2020年度(2020年4月~2021年3月)で約861億円。これは、前年(約704億円)と比べて約22.3%の増加となっています。ペット保険は損害保険会社だけでなく少額短期保険会社でも販売されていますが、実はペット保険の普及率はまだ低く、ペット保険の大手であるアニコム損保の推計によると、2020年時点で12.2%とのことです。

 ペットには人間のような公的な医療保険制度がありませんから、ペットが病気・ケガなどをして病院にかかった際には、全額自己負担となります。大がかりな手術となった場合には、数十万円の負担となる場合もあります。
ペット保険の商品内容としては、
1年更新型
ペットの種類(犬種・猫種)と年齢によって保険料が算出される
治療費の5割が補償される「5割タイプ」か、7割が補償される「7割タイプ」を選択するものが多い(保険料は補償割合が高い方が高くなる)
保険期間中(1年)の通院日数・手術回数の上限があるものが多い
1回あたりの免責金額が設定されている商品もある
請求は、保険会社と提携している動物病院の場合、窓口での支払額が補償分を差し引いた自己負担分の支払で済む会社もある
などとなっています。
 加入の際には、保険料だけではなく補償の内容などをよく確認の上、検討を進めましょう。
犬と猫のマイクロチップ登録制度開始
 「その一目惚れ、迷惑です。」というキャッチコピーで話題となった日本動物愛護協会のテレビCM。かわいいからという一瞬の衝動でペットを飼うのではなく、命あるものを迎え入れるということについて、考えてほしいというメッセージが込められているそうです。

 2020年度の犬・猫の殺処分数は23,764頭(環境省統計資料「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」)。年を追うごとに減ってはいるのですが、まだまだたくさんの命が失われているのが現状です。

 そんな背景もあり、2022年6月1日から改正動物愛護法が施行され、ペットショップなどで販売する犬や猫へのマイクロチップ装着が業者等に義務付けられています。これは、ペットと飼い主を紐付けることで、大規模災害が発生した時や、平常時の迷子や盗難、事故に遭った時などに、速やかにペットの身元を証明することを目的としています。また「飼育放棄」による殺処分を抑制するという効果も期待できます。

 しかしながら、施行以前から飼っていたペット(の飼い主)のマイクロチップ装着は、「努力義務」。もしものときに愛犬・愛猫との絆を途切れさせないためにも、装着を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:
(セールス手帖社 加藤 悠)

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