STOP!熱中症 クールワークキャンペーン実施中

沖田 眞紀
2022.07.21

熱中症対策のポイントはWBGT(暑さ指数)で
 今年は連日危険な暑さが続き、熱中症の危険が高くなっています。厚生労働省では、熱中症予防対策の徹底を図ることを目的として、関係団体等との連携の下、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています(準備期間:令和4年4月、キャンペーン期間:令和4年5月から9月)。職場においても、熱中症により、毎年約20人が亡くなり、約600人が仕事を休んでいます。

 熱中症対策のポイントはWBGT(暑さ指数(Wet Bulb Globe Temperature):熱中症を予防することを目的に、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目し、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温 の3つを取り入れた指標を把握することです。WBGT値を把握し、必要に応じた熱中症の予防対策に取り組みましょう。
キャンペーン期間の取組
Step1
WBGT値の把握(JIS規格に適合したWBGT指数計でWBGT値を測る)
Step2
準備期間に検討した事項の実施及びWBGT値に応じた対策を取る
WBGT値を下げるための設備、休憩場所(氷、冷たいおしぼり、飲料水、塩飴などの準備)の設置
通気性の良い服装の着用
作業時間の短縮(作業の中止、こまめに休憩をとる、単独作業を控えるなど)
暑熱順化(暑さになれるまでは十分に休憩を取り、徐々に体を慣らす)
水分・塩分の摂取(のどが渇いていなくても定期的に水分・塩分補給)
プレクーリング(休憩時間も体温を下げる工夫をする)
健康診断に基づく措置(①糖尿病、②高血圧、③心疾患、④腎不全、⑤精神・神経疾患、⑥広範囲の皮膚疾患、⑦感冒、⑧下痢 などがあると熱中症にかかりやすくなる)
日常の健康管理(前日お酒を飲みすぎない、よく睡眠をとる、朝食をしっかりとる)
作業中の作業者の健康状態の確認(管理者はもちろん作業員同士お互いの健康状態を確認)
Step3
熱中症予防管理者等は、WBGT値を確認し、巡視などにより次の事項を確認
WBGT値の低減対策は実施されているか
WBGT値に応じた作業計画となっているか
各作業者の体調や暑熱順化の状況に問題はないか
各作業者は水分や塩分をきちんと取っているか
作業の中止や中断をさせなくてよいか
少しでも異常を感じたら
いったん作業を離れ、休憩する
病院へ運ぶ、または救急車を呼ぶ
病院へ運ぶまでは一人きりにしない
 7月は特に重点取組期間となっています。実施した対策の効果を再確認し、必要に応じ追加対策を行いましょう。
参考:
沖田 眞紀(おきた・まき)
特定社会保険労務士
社労士事務所コンフィデンス

千葉県出身。大手電機メーカーをはじめ、介護施設、建設関連会社等様々な業種で、人事労務を担当。長年の実務経験を活かし、現在は人事労務相談・助成金手続・就業規則作成などを中心に社会保険業務および各種相談業務を行っている。

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