「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定について

佐々木 篤史
2022.08.01

企業の自社ホームページに公表することを新たな項目として追加
 厚労省は、平成30年1月、副業・兼業について、企業や働く方が現行の法令のもとでどういう事項に留意すべきかをまとめたガイドラインを作成後、企業も働く方も安心して副業・兼業を行うことができるようルールを明確化するために、令和2年9月にガイドラインを改定しました。今回、さらに、副業・兼業を希望する労働者が、適切な職業選択を通じ、多様なキャリア形成を図っていくことを促進するため、令和4年7月にガイドラインが改定されました。

 令和4年7月8日に改定された内容は、次のとおりです。
ガイドライン「企業の対応」(17ページの3(4)「副業・兼業に関する情報の公表について」)を新たな項目として、追加しました。
1.
副業・兼業を許容しているか否か
2.
また条件付許容の場合はその条件について、自社のホームページ等において公表することが望ましい
ことを追加記載しました。優秀な人材確保に向けて各企業は自社の姿勢を明確にする必要性があります。
ガイドラインの「労働者の対応」(18ページの4「労働者の対応」)に、適切な副業・兼業先を選択する観点から、上記の取組によって企業から公表される情報を参考にすることを記載。
4.
「労働者の対応」(1)
「なお、適切な副業・兼業先を選択する観点からは、自らのキャリアを念頭に、企業が3(4)により自社のホームページ等において公表した副業・兼業に関する情報を参考にすること」という文言が追加されました。
副業・兼業のメリット・デメリット
 副業・兼業は、企業にとって、労働者が社内では得られない知識やスキルを獲得することができる等、多くのメリットもありますが、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務等をどのように確保するかという懸念への対応も必要です。また、労働者にとっても、所得が増加し、自分がやりたいことに挑戦できる一方で、就業時間が長くなる可能性があり、健康面に留意が必要となるでしょう。今後、新たな技術の開発や第二の人生の準備として多様な働き方への期待が高まっていますが、働き方改革に対応した取り組みや環境整備が求められます。
参照:
佐々木 篤史(ささき・あつし)
セブンスターズコンサルティング株式会社 代表取締役
株式会社メディカルプランインターナショナル 代表取締役
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー(実務支援)

1966年生まれ。京都市出身。国内・外資の保険会社での勤務後、2017年にセブンスターズコンサルティング株式会社を設立。金融業界(保険・証券等)や士業業界、介護業界を中心に経営コンサルタントとして活動。著書に「売れ続ける仕組みづくり」、制作DVDに「代理店ブランド構築への挑戦-循環型セールスの実践」「法人開拓保険管理コンサルティング手法」がある。最近では、助成金・補助金 自動診断システム「JHサポート」の販売や税の適正化スキーム、次世代代理店経営塾の普及に注力をしている。
会社ホームページ:https://sevenstars-consulting.com
助成金・補助金 自動診断システム「JHサポート」:https://jh-support.jp/seven-stars

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