私立大学の入学前予約奨学金について

森田 和子
2022.08.08

 大学の奨学金は、大学の成績で判断されるのだから、大学に入ってみなければ奨学金を受けられるかはわからない、というイメージをお持ちではないでしょうか。ところが、一部の私立大学には、入学前に予約できる奨学金制度があり、すでに2023年度の予約を受け付けている大学もあります。
入学前予約奨学金とは
 私立大学には独自の奨学金制度があります。1回限り数万円の奨学金から、100万円以上を4年生まで給付する給費生(特待生)というものまで、さまざまなものがあります。入学してから、自分の大学には多くの奨学金があることがわかり驚いたという声もあります。学費の負担が軽減されるので、利用できる奨学金は積極的に使っていきたいものです。

 受験校選びの早い段階でチェックしておきたいのが入学前予約奨学金です。指定された期間に申し込むと、受験の前に採用結果がわかり、採用候補者となった学生が指定された入学試験に合格すると、入学後の奨学金を受けられます。

 申請資格は大学により異なります。世帯の年収が一定以下、高校での平均評定が一定以上とする大学が多く(明治大学「おゝ明治奨学金」、近畿大学「入学前予約採用型給付奨学金」など)、それに加えて出身地を首都圏以外に限定する大学や(早稲田大学「めざせ!都の西北奨学金」、明治学院大学「白金の丘奨学金」など)、出身地によって給付金額が異なる大学(神奈川大学「予約型奨学金」など)もあります。

 受付期間は大学によって異なります。7月に受付を開始している大学(早稲田大学「めざせ!都の西北奨学金」)もあるので、申し込む機会を逃さないように早めの手続きを心掛けましょう。
奨学金を探すには
 既に日本学生支援機構の予約採用に申し込んだ方もいることでしょう。基本的に、日本学生支援機構では他団体奨学金との併用を認めています(※1)。また、事前に予約採用に申し込み、採用候補生となってから奨学金を辞退してもペナルティはありません。

 これから奨学金を探すのであれば、まず志望校と住んでいる自治体から探してみましょう。志望校のパンフレットやホームページには、その学校の学生が使える奨学金が紹介されており、住んでいる自治体独自の奨学金は自治体のホームページなどで紹介されています。

 また、日本学生支援機構のホームページでは、地域や専攻分野、貸与・給付(※2)などの条件にあった奨学金を検索できるようになっています。
※1:
他団体奨学金が、日本学生支援機構やその他奨学金との併用を認めない場合があります。
※2:
「貸与」は後から返済する必要があり、「給付」は返済不要です。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/

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