令和3年度のe-Tax利用件数は約4,243万件

浅野 宗玄
2022.09.05

申告での利用件数は5.6%増の約454万件
 国税庁が公表した令和3年度におけるe-Taxの利用状況によると、同年度のe-Taxの利用合計件数は約4,243万件で前年度に比べて6.9%増加したことが分かった。このうち、申告(法人税、消費税(法人)、酒税、印紙税、相続税の計)におけるe-Taxの利用件数は約454万件で同5.6%増加したが、これらを含む主な手続きの利用件数の合計では、約2,804万件で同0.9%減とほぼ横ばいでの推移となった。
相続税の利用件数は倍増
 項目別の申告関係の利用件数は、「所得税」1,529万1,265件(前年対比7.5%増)、「法人税」256万8,391件(同5.9%増)、「消費税(法人)」183万7,153件(同5.0%増)、「消費税(個人)」92万3,382件(同2.9%増)、「印紙税」9万3,839件(同5.7%増)、「酒税」4万165件(同6.0%増)と、e-Tax利用率は順調に増加している。

 また、令和元年10月からe-Taxがスタートし、利用件数の公表が今回で2回目となる相続税は4万4,035件(前年対比92.7%増)でほぼ倍増となった。
e-Tax利用率、「法人税申告」は87.9%
 また、申告関係以外の主要手続きでは、「給与所得の源泉徴収票等(6手続き)」が264万6,971件(前年対比6.4%増)と増加したが、「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」436万8,892件(同28.4%減)、「納税証明書の交付請求」21万6,480件(同12.6%減)、「利子等の支払調書」7,095件(同5.3%減)と減少し、これらの合計では前年度に比べて18.2%減の723万9,438件となった。そのほか、上記以外の「申請・届出等手続き」は前年度から26.3%増の1,439万4,790件と大幅に伸びた。以上の結果、本年5月2日現在の全体でのe-Tax利用件数の合計は同6.9%増の4,243万2,458件と順調に増加している。

 ちなみに、主な手続きのe-Tax利用率は、「所得税申告」が59.2%、「法人税申告」が87.9%、「消費税申告(法人)」が88.7%など高い割合だが、「相続税申告」は23.4%とまだ低い割合だ。
キャッシュレス納付割合は32.2%
 なお、令和3年度の納付手段の割合は、納付件数合計4,795万件のうち、キャッシュレス納付件数は1,543万件でその割合は前年度に比べて3.0ポイント増の32.2%だった。内訳は、「振替納税」が12.6%、「電子納税」18.0%、「クレジットカード」1.5%となっている。

 また、キャッシュレス納付以外では、「窓口での納付」が62.7%(金融機関窓口60.5%、税務署窓口2.1%)、「コンビニエンスストア」5.2%となっている。
参考資料:
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト

1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍『生命保険法人契約を考える』
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.php

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