経営者保証、解除指針と事例

山崎 美穂
2022.12.01

経営者保証に関するガイドラインとは?
 「経営者保証に関するガイドライン」をご存知だろうか?

 全国銀行協会と日本商工会議所とが作成した本ガイドラインは、経営者保証に関する契約・履行等の際に、関係者(中小企業、経営者、金融機関)共通のルールとして、策定・公表されているもので、「経営者保証に依存しない融資の一層の促進」を目指して、関係者が自発的に尊重・遵守することが期待されているものだ。

 背景には、経営者保証が足かせとなり、経営者が思い切った事業展開や、早期の事業再生・事業承継を妨げる一つの要因となっているのではないか、という指摘があったためである。

 法的な拘束力はなく、最終的な判断は金融機関に委ねられているが、経営者保証に依存しない新規融資の割合も2021年度には政府系金融機関約8.1万件(※)、民間金融機関約73万件(※)と、7年前と比較するとどちらも2倍近くに増加しており、浸透してきているといえるのではないだろうか。
※出典元:
経営者保証解除に向けた指針
 本ガイドラインでは、経営者保証に依存しない融資の一層の促進のため、下記3つのような経営状況であることが求められている。
法人個人の分離
資産の所有やお金のやり取りに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されていること
財務基盤の強化
財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で借入金の返済が可能であること
経営の透明性確保
財務状況の正確な把握、金融機関に対し適時適切な情報開示がされること
 上記を将来にわたって充足する体制が整備されており、その充足度合いに応じて、経営者保証無しで融資を受けられる可能性、既に提供している保証を見直すことができる可能性、保証機能の代替手法(停止条件付保証契約等)の活用の可能性があるとされている。
停止条件付保証契約
特約条項(定期的な財務情報の提出義務、他の金融機関に対する担保提供の制限など)に違反しない限り保証債務の効力が発生しない旨の契約。
金融機関への打診のタイミングと、経営者保証解除の事例集
 新規借り入れ時、既存借入の借換時、事業承継時などのタイミングで、金融機関へ打診されることをお勧めする。
 また、下記事例集では、経営者保証の解除を実現した事例が掲載されている。
 事業承継を中心として書かれてはいるが、どういったところが問題点として指摘されたか、またその解決策としてとった行動等も記載されているので、是非ご参考にご一読頂けると幸いだ。

 自社の状況を確認・ブラッシュアップし、是非金融機関へ相談してみてはいかがだろうか。
山崎 美穂(やまざき・みほ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。
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