目の健康に注意!眼鏡が体調不良の原因になることも

栗原 賢二
2022.12.22

 多様なオンラインサービスや端末の普及により、私達の生活は常時インターネットの影響下にあると言っても過言ではありません。デジタル機器に触れる時間と比例して、「疲れ目」やそれに伴う疾病など、健康上の懸念も増加しています。中には視力矯正のため作った眼鏡が合わず、体調不良の原因となるケースも存在します。慌ただしい日々において目の健康をどう守っていくか、ポイントを整理しましょう。
目の負担を和らげるためには
 総務省の情報通信白書によると、2021年における平日のインターネット利用時間は、全年代で平均約3時間(176.8分)となっています。2017年の利用時間100.4分から約1.7倍と劇的な伸びを見せており、コロナ禍のオンライン需要も大きく作用した形です。

 インターネット以外でもテレビの視聴、紙媒体の購読、PCによる文書作成、車の運転といった場面も合わせれば、私たちの目は常に刺激に晒されています。最近目が疲れたり、物がかすむような感覚を持っている人も少なくないでしょう。

 脳の情報の大半は視覚を通して集められるため、判断力を保つためにも目の健康状態は重要です。具体的には以下のような方法で、目の負担を和らげることが推奨されています。
PC使用の際はディスプレイと30cm以上距離を保ち、十分な作業スペースを確保する。
ドライアイ対策のために目薬で潤いを保つほか、部屋の湿度を50%~60%に保つ。
目を使う作業を1時間続けたら10分間休憩を取る。
睡眠の量と質を確保する。
食事内容にビタミンA(にんじん、レバー等)、β-カロテン(かぼちゃ、いんげん等)、ビタミンB群(豚肉、豆類、シジミ等)、タウリン(サバ、貝類)といった目に良い栄養素を取り入れる。
定期的に眼科で健診を受ける。
目の体操やこめかみマッサージ等で疲れを解消する。
レンズ度数・フレーム調整の不適で体調不良を引き起こすケースも
 近視や乱視で低下した視力は、眼鏡などで矯正するのが一般的です。しかし作成した眼鏡が合わず、頭痛や吐き気、めまい等の体調不良を引き起こすケースも存在します。その原因の大半はレンズ度数・フレーム調整の不適によるものですが、消費者庁には「レンズが左右逆だった」「フレームがずれて顔に傷ができた」「勧められたレンズの機能で気分が悪くなる」といった、販売店の技術や体制に起因すると思われる苦情も寄せられています。

 そのほか眼科医の処方箋なしで眼鏡を作成することで、適切でない度数のレンズが頭痛や首の痛みなど体調不良を引き起こす事例も散見されます。時間が経つにつれ慣れることもありますが、なかなか改善しない場合はその眼鏡が身体に合っていない可能性も考えた方が良いでしょう。眼鏡を作る際の主なポイントは、以下の3点です。
眼科医を受診し、使用用途に沿った処方箋をもとに眼鏡を作製する。
眼鏡が合わない場合は処方通りに作製されているかどうかに加え、疾患の有無を眼科医に確認してもらう。
価格や利便性だけでなく、サービス内容に納得できる眼鏡店を選ぶ。
 日常的な疲れ目や物が見えにくい状態は、そのままにしておくと重大な疾病につながる可能性も考えられます。気になることがあれば早目に眼鏡店へ相談するか、眼科医を受診すると良いでしょう。
参照:
(セールス手帖社 栗原賢二)

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