定年が65歳以上(定年廃止含む)の企業は約3分の1

庄司 英尚
2026.03.23

60歳定年の企業は62.2%
 厚生労働省は、令和7年12月に、「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』(6月1日現在)」の集計結果を公表した。今回の集計結果は、常時雇用する労働者が21人以上の企業23万7,739社からの報告に基づいたもので、令和7年6月1日時点の企業における高年齢者の雇用等に関する措置の実施状況等をまとめたものである。

 集計結果によると、定年制の状況を定年年齢別に見ると、60歳定年の企業は62.2%と最も多く、61~64歳に定年を設けている企業は2.9%、65歳定年の企業は27.2%、66~69歳に定年を設けている企業は1.2%、70歳以上定年の企業は2.5%、定年制を廃止している企業は3.9%であった。65歳以上定年の企業と定年廃止企業を合わせて、定年が65歳以上としている企業は34.8%(前年比2.3ポイント増)と全体の3分の1の割合であった。今後さらに人手不足の時代が訪れることが明白であり、各企業がどのような対応策をとるのか興味深いところである。
70歳までの高年齢者就業確保措置は、雇用以外の業務委託でも
 高年齢者雇用安定法では、定年年齢を65歳以上70歳未満に定めている事業主、継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除く)を導入している事業主に対して以下のいずれかの措置を講ずるよう努めることとしている。
1.
70歳までの定年年齢の引上げ
2.
70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度等)を導入
(特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む)
3.
定年制を廃止
4.
70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
5.
70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
 ポイントとしては、70歳までの高年齢者就業確保措置はあくまで努力義務であること、そして雇用しなくても業務委託契約であれば就業確保措置の1つとして認められている点は覚えておきたい。
70歳までの高年齢者就業確保措置実施済み企業は34.8%
 70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況に関する調査では、高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は34.8%となっており、前年比2.9ポイントの増加となった。実施した内容の内訳は、定年制の廃止は3.9%、定年の引上げは2.5%、継続雇用制度の導入は28.3%、創業支援等措置の導入は0.1%であった。

 高齢者の活用があまりできていない企業であっても、今回の調査データを参考にしながらまずは一歩踏み出して社内で話を進めていくきっかけにするのも良いだろう。
参照:
庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/

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