NISAとiDeCo併用の意義
2026.03.19
公的年金は、老後生活の基本を支える役割を果たします。国民全員が加入する定額の基礎年金(1階部分)と、加入期間と収入に応じて保険料や受給額が変動する厚生年金(2階部分)で構成されます。それに対して、3階部分にあたる企業年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)等の役割は、老後生活の多様なニーズに応えることにあります。今回は、少額投資非課税制度(NISA)とiDeCoを組み合わせる、その併用の意義についてお話しします。
いつでも現金化できるNISAは現役時代の備え
NISAは、NISA口座で投資した金融商品の運用益が非課税になる制度です。株式や投資信託などの金融商品の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用すればその税負担を抑えられます。つみたて投資枠と成長投資枠を併用することで、年間360万円まで非課税で投資することができ、運用した資産はいつでも現金化することができます。
現役時代には子どもの教育資金や住宅資金などに充てることができ、リタイア後は生活費や医療費などに柔軟に充てられる点が特徴です。NISAは長期的に資産を育てることが可能な仕組みであることから、年金給付の3階建て構造の3階部分に含まれるといえるでしょう。
現役時代には子どもの教育資金や住宅資金などに充てることができ、リタイア後は生活費や医療費などに柔軟に充てられる点が特徴です。NISAは長期的に資産を育てることが可能な仕組みであることから、年金給付の3階建て構造の3階部分に含まれるといえるでしょう。
iDeCoの3つのメリット
iDeCoは、自ら掛金を拠出して運用し、老後資金を積み立てる制度です。最大の特徴は、掛金が全額所得控除の対象となり、現役時代の所得税・住民税を軽減できる点にあります。例えば、毎月2万円を拠出する会社員の場合、所得税率が10%なら住民税(10%)と合わせて年間4万8千円、所得税率が20%なら年間7万2千円の減税となります。
2つめのメリットは、運用中の利益も非課税で再投資できること、3つめのメリットは、受取時には受け取り方法に応じて「公的年金等控除」または「退職所得控除」などの適用が受けられることです。
iDeCoは、原則として60歳まで引き出すことができません。老後資金を確実に積み立てることができる反面、流動性の低さには注意が必要ですが、老後に年金として受け取ることができ、公的年金を補完する役割を果たしてくれます。
2つめのメリットは、運用中の利益も非課税で再投資できること、3つめのメリットは、受取時には受け取り方法に応じて「公的年金等控除」または「退職所得控除」などの適用が受けられることです。
iDeCoは、原則として60歳まで引き出すことができません。老後資金を確実に積み立てることができる反面、流動性の低さには注意が必要ですが、老後に年金として受け取ることができ、公的年金を補完する役割を果たしてくれます。
NISAとiDeCoの組み合わせ
NISAとiDeCoにはそれぞれ異なる特徴があり、単独だけでなく併用することで税制上のメリットをより広く享受することができます。
例えば、iDeCoの所得控除で世帯所得を減らすことで、保育料の減額などの対象になる場合もあります。節税しながら長期的な年金的収入を形成し、NISAで資産の流動性を確保する、といった使い分けが考えられます。
どちらの制度も投資リスクを伴いますが、税負担の軽減により手元資金を増やす効果も見込めます。自分自身の生活設計や年齢、収入、職業等に合わせてバランスよく組み合わせることが大切です。
例えば、iDeCoの所得控除で世帯所得を減らすことで、保育料の減額などの対象になる場合もあります。節税しながら長期的な年金的収入を形成し、NISAで資産の流動性を確保する、といった使い分けが考えられます。
どちらの制度も投資リスクを伴いますが、税負担の軽減により手元資金を増やす効果も見込めます。自分自身の生活設計や年齢、収入、職業等に合わせてバランスよく組み合わせることが大切です。
老後の収入源は「働いて稼ぐ」ことに限らない
総務省統計局の「家計調査2025年(令和7年)平均」によると、高齢無職二人以上世帯の家計収支は、平均的な1カ月の生活費約30万円に対して、収入は社会保障給付等で約26万4,000円となり、1カ月約3万6,000円の赤字が生じています。年金収入だけでは毎月の支出を賄いきれないケースがあることが分かります。貯蓄の取り崩しが前提となる家計構造では、老後資金への不安は高まるばかりです。
老後の収入源は、必ずしも「働いて稼ぐ」ことに限りません。税制優遇を受けながら、NISAで資産の取り崩し余地をつくり、iDeCoで公的年金を補完する、若いうちから3階部分の資産形成を行うことは、老後破綻を防ぐひとつの考え方といえるでしょう。NISAとiDeCo、それぞれ異なる特徴を持つ制度を正しく理解して、目的に応じて使い分けながら、老後の安心に備えていきましょう。
老後の収入源は、必ずしも「働いて稼ぐ」ことに限りません。税制優遇を受けながら、NISAで資産の取り崩し余地をつくり、iDeCoで公的年金を補完する、若いうちから3階部分の資産形成を行うことは、老後破綻を防ぐひとつの考え方といえるでしょう。NISAとiDeCo、それぞれ異なる特徴を持つ制度を正しく理解して、目的に応じて使い分けながら、老後の安心に備えていきましょう。

岡﨑 一恵(おかざき・かずえ)
社会保険労務士岡崎一恵事務所 代表
社会保険労務士
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®認定者
滋賀県大津市出身。同志社大学卒業後、地方銀行の人事部に勤務。
子育てのブランク9年と、紆余曲折の後、社会保険労務士として2018年開業。
2021年CFP®認定者として登録、2023年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2024年日本FP協会FP広報センタースタッフを務める。
NPO法人障害年金支援ネットワークに所属。
地元横須賀の中小企業の労務管理と、障害年金代理請求業務、障害年金を受給されるご家庭のライフプラン相談に取り組む。
公式サイト https://www.okazakikazue.net/
社会保険労務士
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®認定者
滋賀県大津市出身。同志社大学卒業後、地方銀行の人事部に勤務。
子育てのブランク9年と、紆余曲折の後、社会保険労務士として2018年開業。
2021年CFP®認定者として登録、2023年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2024年日本FP協会FP広報センタースタッフを務める。
NPO法人障害年金支援ネットワークに所属。
地元横須賀の中小企業の労務管理と、障害年金代理請求業務、障害年金を受給されるご家庭のライフプラン相談に取り組む。
公式サイト https://www.okazakikazue.net/






