絶対に儲かる話は怪しい。「物なしマルチ商法」に注意を

森田 和子
2023.01.19

モノなしマルチ商法とは
 マルチ商法は、消費者を販売員にして、会員を増やしながら商品を販売していく商法です。商品を販売しながら会員を勧誘することでリベート(報酬)が得られるため、はじめは商品を買うだけのつもりが売る側にもなり、会員を増やすために他の誰かを勧誘することにもなります。マルチ商法自体は合法ですが、「必ず儲かる」のように誤解を招く説明や、無理やり入会させるなどの行為は法令違反です。

 マルチ商法で扱われる商品には、化粧品、健康食品、健康器具などがありますが、仮想通貨や投資商品のように実物のない商品が対象になる場合もあり、「モノなしマルチ商法」と呼ばれます。20代などの若い世代も標的になり、警察や自治体、国民生活センターなどが注意を促しています。

 モノなしマルチ商法のトラブルには、以下のような例があります。
マッチングアプリで知り合った男性に勧誘され、入会金80万円を支払って株の勉強会に入ったが、儲からない。
カフェで知り合った人に仮想通貨のウォレットのアフィリエイトを勧誘され、登録料など約22万円を振り込んだ。不審に思い返金を希望したが返金されない。
海外不動産投資で配当や紹介料が入ると友人から勧誘され、借金して約130万円出資した。不審に思い解約を希望したが半額しか返金されない。(※)
 トラブルに共通しているのは、最初は儲かると思い込まされますが、結局はお金を出した人が損をする点です。お金がなければ借金までさせられてしまうのが怖いところです。
トラブルに巻き込まれないために
 モノなしマルチ商法にかかわらず、お金の話については、「わからないことには投資しない」のが原則です。仮想通貨、自己啓発、アフィリエイト、ネットワークビジネスなど、「聞いたことはあるけれどよくわからない」ものは、騙されていても気がつかない可能性があります。

 安易に借金をしないようにしましょう。クレジットカードも借金の一つと言えます。お金を借りてまで投資する必要があるのか、慎重に考える必要があります。

 友人など身近な人から勧誘される場合もあり、断るのが難しいかもしれません。即答を避けて冷静になって考え、勇気を持って断りましょう。

 トラブルになった時、不安を感じた時には、迷わず誰かに相談しましょう。各地の消費生活センターや警察、自治体、大学の学生課などでも相談することができます。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/

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