マイナンバーカードを使って医療費控除を簡単に

田中 一司
2023.03.06

ネットで申告書を提出する方法が普及している
NO4448でも取り上げたマイナンバーカードによる医療費控除だが、その内容について今一度触れてみたい。

 2023年の所得税の確定申告は3月15日が締め切りとなっている。給与所得者など、通常は確定申告が必要ない人でも、医療費控除などを受ける場合など、確定申告をする必要があることもある。

 確定申告は、確定申告書を作成し所轄の税務署に提出するが、最近では書類を持参して提出する以外にもeTAXという、ネットで申告書を提出する方法も普及している。これは税務署に出向く必要もなく。開庁時間にかかわらず書類を提出でき非常に便利な仕組みである。
 このeTAXはマイナンバーカードと組み合わせることにより、さらに便利に使うことができる。以前は、eTAXで申告を行うためには、事前にパスワードなどを登録しておく必要があったが、マイナンバーカードがあればそれも不要になる。

 ここでは便利な使い方として医療費控除について解説したい。
医療費控除の明細書が自動作成される
 医療費控除の詳細については別途確認して欲しいが、医療費控除を受けるためには1年分の医療費の領収証などを保管しておき、医療費控除額を計算する必要がある。健康保険組合などから送られてくる医療費通知を利用することもできるが、マイナンバーカードがあるとこの医療費通知をマイナポータルから自動取得することができるのである。作成中の確定申告書に自動的に紐つけされ、追加で入力が必要な項目もその場で入力できる。また、医療費通知に記載されていない医療費については、支払先ごとにまとめて入力することができる。

 例えば、医療費控除を計算する際に、生命保険の入院給付金等で補填された金額がある場合は、その金額を差し引く必要があるが、支払ごとに保険金等の金額を入力することができる。それらは、自動的に合計され医療費控除の明細書が自動作成される。

 書類を税務署に直接提出する場合は、領収証等も併せて提出する必要があるが、eTAXの場合はその必要はなく、オンラインで必要書類を送付するのみである。領収証等は、一定年数保管しておき、後日税務署からの問い合わせがあった場合などには提出する必要が出てくることもある。

 今年の申告期間は残り少ないが、来年度以降に申告する予定のある人は覚えておいても良いだろう。

 余談だが、マイナンバーカードを利用していても、申告者の住所氏名等は手入力する必要がある。この辺りは少し改善して欲しいところである。
参考:
(セールス手帖社 田中一司)

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