子供の学習費は小・中・高のすべてで負担増

森田 和子
2023.03.09

 文部科学省から2021年度「子供の学習費調査」の結果が発表されています。これは幼稚園から高校までにかかる、授業料や学用品などの「学校教育費」、「学校給食費」、学習塾や習い事、家庭教材費などの「学校外活動費」について調査したものです。幼稚園から高校まですべて公立に通った場合の学習費総額は約574万円、すべて私立に通った場合は約1,838万円となっています。2018年度の前回の調査と比較すると、公立では総額で約33万円増、私立では約9万円増です。
幼稚園で減少しても小・中・高で増加
 ただし、前回の調査の後で幼保無償化がスタートしたことには留意が必要です。幼稚園の学習費を前回と比較すると、公立で18万円減(65万円→47万円)、私立で66万円減(158万円→92万円)となっており、どちらでも減少しています。

 その一方で、幼稚園を除く小学校から高校までは、すべて増加しています。小学校から高校の学習費総額の合計を前回と比較すると、すべて公立で51万円増(476万円→527万円)、すべて私立で75万円増(1,671万円→1,746万円)です。小学校以降の学習費の負担が大きく増えたために、幼稚園で減少しても学習費総額は増えているのです。
受験の学年は塾の費用に注意
 FPとしてライフプランシミュレーション(キャッシュフロー表)を作成しますが、教育費の見積もりは悩むところです。中学受験、高校受験、大学受験の年には塾や予備校に予想外の費用がかかる(かけてしまう)ケースもあるため、平均よりも多い金額で見積もることが少なくありません。

 学校外活動費のうち、学習塾や家庭教師、通信教育などの「補助学習費」の支出が最も多かった学年は、公立では中学校3年生45万円、私立では小学校6年生56万円でした。公立では高校受験の前年に、私立では中学受験の前年に多くなるとも考えられます。受験をするか、塾や予備校に通うかなどは人により違いがあるので、実際にかかる金額はそれぞれのケースで異なります。進路にあわせて教育費を見積もり、準備をしていく必要があります。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

ライフプランシミュレーションとマイホーム・老後の資金計算
FPオフィス・モリタ https://fpofficemorita.com/
教育費・住宅ローン・老後のお金 マネーのブログ
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