共働き希望の男子、6割超え過去最高

庄司 英尚
2023.03.13

デートは割り勘世代の影響?――変化する大学生の仕事観
 株式会社マイナビは、2024年の卒業に向けて就職活動を行う予定の大学生・大学院生を対象に「大学生のライフスタイル調査」を実施し、その調査結果を発表した(有効回答数3,106名)。

 調査結果によると、結婚後の仕事の収入源に関しての希望(共働き、自分または相手の収入のみで生活する、結婚せず自分の収入のみ)を聞いたところ、共働き希望の男子は64.1%(前年比4.2ポイント増)、同女子は73.3%(同1.2ポイント減)で、男子は調査開始(2016年卒業予定者対象)以来、初めて6割を超え、過去最高を更新した。
育休取って子育てしたい男子も6割超え過去最高に
 子育てについての考えを聞いたところ、育児休業を取って子育てしたい男子は61.3%(前年比1.4ポイント増)で、こちらも調査開始(2015年卒業予定者対象)以来最高となった。ちなみに女子は63.2%(同4.8ポイント減)でこの4年間下降傾向にあり、今回の調査で男女差は1.9ポイントまで縮まり、同調査開始以来最も小さい値となった。男性の育児休業取得に対する世の中の理解が進んだ結果、今どきの学生は育児休業希望に男女差がほとんどないところまで来たことになる。
「愛する人との結婚」より「安定した仕事」を望む女子
 理想とする自分の将来像を18の選択肢から選んでもらったところ、男女とも順位は同じで、1位は「一生食べていける安定した仕事を持つ」だった(男子24.5%、女子26.9%)。2位は「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす」、3位は「自分の好きな仕事を一生続ける」となった。

 気になるところとしては、男子4位の「新卒で就職した会社で出世して社長・役員になる」で、前年に比べて大きくポイントが下がっており、会社で上を目指すだけがすべてじゃないというように大学生の仕事観も変わってきていることが感じられる。なお、女子4位は「家で自分の好きなことだけをして暮らす」であった。

 注目すべき点は、女子の理想の将来像で今回初めて「一生食べていける安定した仕事を持つ」が「愛する人と結婚して子供ができ幸せに暮らす」を上回る結果となったことである。大学生の仕事観は時代の風潮や景気動向などによっても変化するが、過去の推移も含めて全体の傾向とその変化を会社側もよく理解したうえで採用活動の際に活かしていきたいところである。
参照:
庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/

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