生命保険協会が認定した代理店、とは?
-代理店業務品質評価運営-

加藤 悠
2023.04.03

 以前、拙稿(No.4213)にて、「乗合代理店」を評価する制度が新設される旨をお伝えしましたが、生命保険協会にて2022年度から「代理店業務品質評価運営」という名称でスタートしており、2月24日に「認定代理店」42社が公表されました。
業務品質評価運営とは
 生命保険協会のHPによると、以下のように記載されています。
保険業界全体が「顧客本位の業務運営」の実践を求められている中、生命保険乗合代理店・生命保険会社・消費者団体の代表等で構成される検討会にて、検討の上、消費者にとって理想的な代理店として求められる取組みを「業務品質評価基準」として、約200項目の基準をとりまとめました。
代理店業務品質評価運営とは、生命保険協会が主体となり、「業務品質評価基準」に基づいて代理店の業務品質向上をサポートする、 消費者のための取組みです。
 具体的には、以下のような内容です。
生命保険協会が「消費者にとって理想的な代理店」を
契約時の顧客対応
契約後のアフターフォロー
顧客の個人情報保護(個人情報の管理)
ガバナンス(健全な経営・企業活動)
の4つの要素から調査・評価します。その結果は、代理店にフィードバックを行い、取扱生命保険会社にも連携されます。
「業務品質評価基準」は上記4つの要素にもとづき、
・基本項目:
法令で求められている対応など、代理店として取り組むべき基本的な項目
・応用項目:
顧客本位の業務運営の観点から代理店独自で取り組んでいる、より高度な項目が設定されています。
①の調査の結果、②の「評価基準」の基本項目をすべて達成していると認められた代理店を「認定代理店」とし、生命保険協会のHPで公表し、認定証が交付されます。公表の際には、評価結果と合わせて、「応用項目」の取組み内容を踏まえ、代理店の特に力を入れている取組みや特筆すべき事項についても公表されます。
業務品質評価運営による効果
 乗合代理店は、「業務品質評価基準」で求められる項目を達成し「認定代理店」となると、生命保険協会のHPに公表され、消費者にアピールすることが可能になるので、自主的に品質向上に取り組むようになります。
 消費者は、生命保険協会HPで公表される「認定代理店」を確認することで、業務品質が高く安心して相談できる乗合代理店を探せるようになります。

 業務品質評価運営については、1年間で評価可能な代理店数に上限(150~200店程度と考えられています)があるなどの課題もありますが、金融庁もこの制度については「2022年保険モニタリングレポート」内で「顧客本位の保険商品提案が行われるために生命保険会社による代理店管理の高度化が促進されるための取組み」として一定の評価をし、引き続き「この取組みが浸透するように促していく」とされていますので、「顧客本位の業務運営」のために代理店が受けるものとして定着していくのではないでしょうか。
参照:
(セールス手帖社 加藤 悠)

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