住宅ローンで変動金利を選ぶ人が減少

森田 和子
2023.04.20

住宅ローンには3つの金利タイプがある
 住宅ローンを選ぶ時、金利タイプは大きなポイントになります。一般的に変動金利、固定金利選択型、固定金利の順に設定される金利が高くなるので、金利の低い変動金利が有利に見えますが、将来金利が上昇した場合には返済額が増えてしまうリスクもあります。マイホーム購入のご相談を受けると、この3つの中からどれを選ぶべきかで迷う方が多いと感じます。他の人はどれを選んでいるのかも皆さんが気になるところです。
変動金利を選ぶ人が減少
 独立行政法人の住宅金融支援機構が、新規の住宅ローンの金利タイプや住宅ローン選びについての調査結果を公表しています。それによると、変動金利型69.9%、固定期間選択型 20.1%、全期間固定型10.0%となっています。近年、変動金利を選ぶ人が概ね増加傾向で、今回の調査でも最も多いのですが、前回調査からは4%減少しています。

 また、今後1年間の住宅ローン金利見通しについて、「現状よりも上昇する」 が増加しています(39.2%→41.7%)。将来の金利に対する見方が少し変化しているようです。
返済額が増えても返済継続が多い
 変動金利の住宅ローンを契約している人は、もしも将来金利が上昇して返済額が増えた場合にどうするかを考えておく必要がありますが、「返済目途や資金余力があるので返済継続」とした人が最も多くなっています。
<変動金利ローン利用者の金利上昇に伴う返済額増加への対応>
返済目途や資金余力があるので返済継続 31.6%
金利負担が大きくなれば全額完済 13.6%
返済額圧縮、あるいは金利負担軽減のため一部繰上げ返済 24.5%
借換え 9.0%
見当がつかない、わからない 20.7%
その他 0.7%
 マイホーム購入のご相談者からは、「変動金利、35年返済で試算してもらったので、他の返済方法を知らなかった」という話も聞いていたので、内容をよく理解しないまま変動金利を選ぶ人も多いのではないかと考えていました。しかし、この調査結果からは、理解した上で変動金利を選択している人の方がむしろ多いという印象を受けます。金利が上昇して返済額が増えた場合の対応には、繰上げ返済や借換えもあります。変動金利でローンを組んでいるけれど対応がわからないという方には、これらの方法も参考になります。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

ライフプランシミュレーションとマイホーム・老後の資金計算
FPオフィス・モリタ https://fpofficemorita.com/
教育費・住宅ローン・老後のお金 マネーのブログ
おかねネット https://okane-net.com/

▲ PAGE TOP