M&A手数料の支援策、地方自治体に広がる

山崎 美穂
2023.05.11

国もM&A手数料を課題と認識
 M&A(第三者承継)が浸透しつつあるなか、いざ自社でもお相手探しを開始しようとM&Aアドバイザー等専門家に話を聞いてみたら、思っていたよりも高額な手数料を提示され、以降なかなかM&Aに着手できないという経営者の方は多いのではないだろうか。

 国ではM&Aの過程で発生する費用を検討すべき課題とし、中小企業の経営資源集約化等に関する検討会の中で話し合いを進めている最中だ。

 ただ、この結果を待って着手しようとすると、承継するのに最良なタイミングを逃してしまう可能性がある。

 ここでは、費用を補助してくれる支援策の最新情報の一部をお伝えする。
●支援策(全国)
<事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用事業)>
概要
事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎに要する経費(相談料、着手金、中間報酬及び成功報酬等、所定のものに限る)の一部を補助
補助上限額
買い手・売り手ともに600万円
補助率
買い手は対象経費の3分の2以内/売り手は対象経費の2分の1、又は3分の2以内
募集期間
令和5年3月30日~令和5年5月12日まで
現在公募中の5次公募は5月12日で申請受付が終了してしまうが、以降も公募される予定となっている。
●支援策(都道府県の一例)
<秋田県> 令和5年度 M&A支援事業
概要
県内中小企業者が行うM&AやM&A後のPMIに係る費用の一部を補助
募集期間
令和5年4月5日~
補助率
対象経費の3分の2以内
【M&A実現型】
成立が見込まれるM&Aに係る手続きで発生する費用(仲介契約成功報酬の支払い、登記変更・許認可取得等)の一部を補助
補助上限額
買い手は200万円/売り手は100万円
【M&A促進型】
M&Aに取り組むために行う手続きで発生する費用(仲介契約の締結、企業概要書の作成、マッチングプラットフォームによる相手方探索等)の一部を補助
補助上限額
買い手・売り手ともに100万円
●支援策(市町村の一例)
<新潟県長岡市> BCP・事業承継・経営改善補助金【事業承継型の特例】
概要
M&Aによる引継ぎに係る費用(支援機関との契約に基づきマッチングを行う際に発生する費用、M&A成立時にかかる仲介手数料)の一部を補助(買収側を除く)
補助上限額
50万円
補助率
対象経費の3分の2以内
募集期間
令和5年4月1日~令和6年1月31日まで
●支援策情報キャッチのポイントは“定期的なリサーチ”
 上記の地域以外でも、独自の支援策でM&Aを促進しようとしている地域は多数ある。

 M&A着手前に、一度事務所のある地方自治体の支援策情報を調べてみることをお勧めする。

 また、都道府県や市区町村の支援策では、予算がいっぱいになったら期限前に申込を締め切る場合があるので、条件があえば早めの申請を心がけて頂きたい。

 他方、もし申請期限が過ぎて申込終了となっていても、予算が余った場合、次回募集が行われる場合があるので、活用したいタイミングで一度再検索してみるのもお勧めだ。

 是非上記を頭の片隅に置いて頂き、情報収集等の一助になれば幸いだ。
山崎 美穂(やまざき・みほ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。
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