最新のキャッシュレス事情は?

高橋 浩史
2023.05.11

 経済産業省より、2022年のキャッシュレス決済比率についての発表がありました。2025年までに、キャッシュレス決済比率を4割程度にする目標には近づいたのでしょうか。
2022年のキャッシュレス決済比率は?
 2023年4月6日の発表によると、2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%でした。キャッシュレス決済の内訳については下記のとおりです。
クレジットカード:30.4%(93.8兆円)
デビットカード:1.0%(3.2兆円)
電子マネー:2.0%(6.1兆円)
コード決済:2.6%(7.9兆円)
我が国のキャッシュレス決済額及び比率の推移(2022年)
*経済産業省ホームページより
 2010年は13.2%でしたから、この十数年でキャッシュレスの比率は3倍程度まで上がってきました。このペースで伸びていくと、2025年に4割という国の目標も実現の可能性が高まったと言えるでしょう。
万博会場内では現金は使えない!
 キャッシュレス決済に関しては、もうひとつトピックがあります。

 日本国際博覧会協会から発表されたニュースによると、2025年に開催予定の「大阪・関西万博」では、売店やレストランなど会場内での支払いを、すべてキャッシュレス決済にするとのこと。国際博覧会としては、初めての試みだそうです。

 学生や高齢者など、キャッシュレス決済の手段を持たない人に対しては、会場内で、プリペイドカードの販売などで対応するとしています。

 さらに、万博オリジナルの決済手段として、「EXPO 2025 デジタルウォレット」も導入されます。これは、スマホアプリを利用し、銀行口座やクレジットカードなどからチャージして利用する電子マネーの機能です。

 万博会場内の支払いを、あえてキャッシュレス決済にした理由としては、「支払いの簡素化」「レジでの会計の時間短縮」「非現金化による防犯対策強化」等が挙げられています。

 この春、北海道にオープンした「エスコンフィールドHOKKAIDO」でも、球場内は原則現金が使えません。万博においてもキャッシュレスになることで、キャッシュレス決済のさらなる底上げが期待されそうです。
参照:
経済産業省
日本国際博覧会協会 ニュースリリース
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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