30代以下は半数以上が知らない「預金保険制度」について

森田 和子
2023.05.18

金融機関が破綻しても預金が保護される制度がある
 アメリカのシリコンバレー銀行が破綻し、取り付け騒ぎが起きたニュースを見て、「もしも自分が預けている銀行が破綻したらどうなるのだろう」と不安を覚えた人もいるのではないでしょうか。日本には預金保険制度があり、金融機関が破綻した場合にも預金が保護されるようになっています。

 しかし、金融広報中央員会が行った調査によると、この預金性保護制度の認知度について、「全く知らなかった」と回答したのが20歳代で63.7%、30歳代で55.9%となっており、30歳代以下では半数を超える人が全く知らないという結果になっています(※1)。
利息の付く普通預金や定期預金は1金融機関1,000万円までが保護される
 預金保険制度は、金融機関が破綻した場合に預金を保護するための保険制度です。保険に加入するのは金融機関なので、お金を預けている預金者が保険料を負担する必要はありません。対象の金融機関で対象になる預金をすれば、自動的に加入していることになります。 対象になる金融機関は、日本国内に本店のある銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などで、具体的な金融機関名は預金保険機構のホームページで確認することができます(※2)。

 利息の付く普通預金や定期預金などの一般預金については、1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息が保護され、当座預金や利息の付かない普通預金などの決済用預金については、全額が保護されます。外貨預金や他人名義の預金などは保護の対象外です。
元本1,000万円を超えた部分はどうなる?
 預金保険制度で保護されない預金などは、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われることになるため、一部をカットされる可能性があります。どの程度カットされるかは、破綻した金融機関の財産の処分や回収の状況に応じて裁判所等の関与の下で決められます。

 また、特定の金融機関の経営破綻等が重大な支障を生ずるおそれがあると認められると、預金等の全額保護が行われる場合があります。
※1
※2
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

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