ネットショッピング利用時の偽サイトに注意!

栗原 賢二
2023.05.22

 インターネット通販の利用拡大に伴い、商品や決済に関するトラブルも増えています。とりわけ近年増加しているのが、正規の通販サイトを装った「偽サイト」の手口です。その特徴と被害防止のポイントを整理しましょう。
偽サイトに関する相談件数が急増
 独立行政法人国民生活センターの公表資料によると、インターネット通販の偽サイトに関する2022年4月~12月の相談件数は11,019件となっています。2021年の同時期の相談件数5,941件から急増しており、被害の拡大がうかがえます。

 その主な手口は大幅な値引きをうたうSNSやネット広告から偽サイトへ誘導し、銀行振込等で金銭を詐取したり、クレジットカード情報を悪用したりするものです。

 具体的な被害として、「注文した商品が届かない」「商品は届いたが偽物だった」「販売業者に連絡したいが連絡先がわからない」といった相談も寄せられています。なお、偽サイトの代表的な特徴には、以下のようなものが挙げられます(確実に偽サイトかどうかを判定できるものではありません)。
サイトのURLの表記が、ブランドの正式な英語表記と少しだけ異なる。
日本語の字体、文章表現がおかしい。
販売価格が大幅に割引されている。
事業者の住所の記載がない、または虚偽の住所である。
通販サイト内のリンクが適切に機能しない。
支払方法に応じた注文後の対処
 近年は手口が巧妙化しているうえ、「公式」をうたう偽サイトが検索上位に来るケースもあるため、見分けることが難しくなっています。もしネット通販で注文後、偽サイトであることに気づいた場合、国民生活センターでは支払方法に応じて次のようにアドバイスしています。
<クレジットカード>
すぐにクレジットカード会社に連絡する。また日頃から利用明細を確認して不正利用を早期に把握するほか、被害額を抑えるために利用限度額を見直す。
<銀行口座等への前払い>
すぐに振込先金融機関の窓口に連絡し、振り込め詐欺救済法による救済を求める旨を申し出る。あわせて最寄りの警察に被害を届け出る。
<代金引換サービス>
注文直後なら電子メール等でキャンセルの連絡をする。荷物が届いても送り状に記載されている「依頼人」の情報を確認し、注文した販売業者とは違う場合または注文した覚えがない場合は、代金を支払わず受け取りを拒否する。
 そのほか不安に思った時やトラブルが生じた時は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談することをお勧めします。全国共通の消費者ホットライン「188(いやや!)」番への電話を含め、早目に対処することが被害の拡大防止につながるかもしれません。
【参照】
(セールス手帖社 栗原賢二)

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