増えるフィッシング詐欺への対処法

高橋 浩史
2023.10.12

 もはや社会問題とも言える「フィッシング詐欺」。被害の防止法や、被害に遭ってしまったときはどうしたらよいのかを、あらためて確認しておきましょう。
フィッシング報告は3年間で13.5倍に!
 フィッシング詐欺は、実際にある銀行やクレジットカード会社、あるいは通販サイトなどを詐称したメールを送り、これらのホームページを装った偽サイト(フィッシングサイト)に誘導し、アカウントID、パスワード、クレジットカード番号などの個人情報を入力させ、詐取する行為です。

 フィッシング詐欺はここ数年で急増しており、フィッシング対策協議会の資料(※)によると、2022年9月末時点でのフィッシング報告件数は755,028件でした。2019年は55,787件でしたので、3年で13.5倍と急激に増加しています。

 フィッシング詐欺の手口としては、まず銀行やクレジットカード会社などの金融機関を装ったメールをユーザーに送り、カードの利用確認など対応を急がせる文面でリンクをクリックさせ、偽サイトに誘導します。

 偽サイトでは、銀行の口座番号やクレジットカードの番号などを入力するよう案内され、そこに入力された情報を盗み取るというのがもっとも多い手口です。
安易にリンクをクリックしないことが大切
 では、フィッシング詐欺に遭わないようにするための、基本的な注意事項を確認しておきましょう。主に以下のようなものが挙げられます。
1.
個人情報やカード番号などの入力を促すメールは細心の注意を
 一般的に、カード会社からユーザーのアカウント情報、クレジットカード番号などをメールで問い合わせることはないといいます。こういったメールが来たら、カード会社などの公式ウェブサイトを見て、注意喚起されていないかどうかを確認しましょう。
2.
メールに記載されたリンクが正しいものかを確認
 不審なメールのメールアドレスやリンク先のURLが、金融機関の公式のアドレスと同じものかどうかを確認します。差出人のメールのアドレスや、記載されているウェブサイトのURLは似ているようで微妙に違う文字が使われていることがあります。
3.
URLのリンクは絶対にクリックしない
 不審なメッセージやメールに記載されているリンクは絶対にクリックしないことです。偽サイトに移動するだけならまだましで、リンク先にアクセスしただけでスマホやパソコンの情報が抜き取られることがあるといいます。
 上記以外にも、日頃からよく利用しているサービスがある場合は、サービスの公式アプリや公式サイトのURLをブックマークして、そこからアクセスすることも効果的です。

 フィッシングサイトは、ひと目見ただけでは本物と見分けること難しく、非常に巧妙に作られています。また、金融機関だけではなく、宅配業者や携帯電話事業者を名乗る、不審なメールやメッセージも増えています。

 とにかく不審に思ったものは安易にクリックしないことはもちろん、フィッシング対策協議会のホームページなどで、最新のフィッシング詐欺に関する情報を把握するようにしましょう。
※:
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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