スマホ決済の犯罪被害に注意!返金を装った手口も増加

栗原 賢二
2023.11.13

 財布から現金やカードを出さず支払いを完結できるスマホ決済は、その利便性から生活に浸透しつつあります。しかしスマホ決済で使用されるアカウントや個人情報が盗まれるなど、犯罪被害に遭うリスクも考えられるため、注意が必要です。最近報告されている手口や被害防止のポイントとともに紹介します。
決済用QRコードを盗撮される手口も
 クレジットカードや電子マネー等によるキャッシュレス決済は規模を広げ、国内で年間総額100兆円以上の決済が行われています。スマホ決済も年々比率を高めており、サービスの浸透とともに今後ますます利用者が増加していくことが予想されます。

 利用時にはスマホのアプリを立ち上げ、表示されたQRコードをお店の端末にかざす方法がよく見られますが、最近はスマホを起動せず端末へのタッチのみで完結する方式もあるようです。

 便利な一方で不正利用のリスクもあり、決済に使えるログイン情報や、クレジットカード番号などが盗まれる被害が報告されています。またレジに並んでいる時に画面表示させていたQRコードを、後ろの他人に盗撮されて勝手に使われる手口にも注意しなくてはなりません。

 不正利用を完全に防ぐことは難しいですが、以下のような基本を徹底することにより、被害リスクの軽減は可能です。
ログインIDやパスワードを使い回さない(定期的に変更)
フリーWi-Fi接続時には利用しない
「スマホが乗っ取られました」などの不審なメッセージを開かない
スマホ決済アプリを最新状態にアップデートする
決済QRコードはレジ支払の順番が来てから表示させる
返金手段としてスマホ決済を案内されたら詐欺を疑う
 上記に加えて最近はネットショッピングを通じて「○○ペイで返金します」などと業者が誘導することにより、利用者が逆に送金してしまう事例も報告されています。
 独立行政法人国民生活センターで注意喚起している具体的な手口としては、
インターネット通販で購入した商品が届かない
  ↓
業者から返金の連絡がある
  ↓
返金手段として○○ペイといったスマホ決済を案内される
  ↓
業者の言われるままに操作
  ↓
返金のつもりが送金してしまう
という順番で誘導されるようです。

 冷静になれば騙される要素が少ない手口にも思われますが、スマホ決済に慣れていない、あるいは機能をよく把握していなければ、言われた通りに操作してしまうかもしれません。

 購入時の決済方法と異なるスマホ決済を、返金手段として案内するのは不自然な流れです。そのため「○○ペイで返金します」などと言われたら詐欺を疑い、消費生活センターや警察等に相談したほうが良いでしょう。

 スマホアプリは年々進化していますが、それを悪用した犯罪も増えていることを再認識し、定期的に機能やアカウントのチェックを行うことが被害防止のポイントと言えます。
参照:
(セールス手帖社 栗原賢二)

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