「いいみらい(11月30日)」は年金の日

三角 桂子
2023.12.21

 皆さん、「年金の日」があることをご存知でしょうか。11月30日(いいみらい)は「年金の日」です。一人ひとりが、自身の年金記録や公的年金の受給見込み額を確認し、高齢期の生活設計に思いを巡らすきっかけとなるよう、2014年に制定されました。
記録の確認には「ねんきん定期便」
 毎年、皆さんの誕生月に日本年金機構はハガキ形式の「ねんきん定期便」を届けています。ねんきん定期便は年金制度への理解を深めていただくこと等を目的としています。

 ハガキ形式のねんきん定期便は、50歳未満・50歳以上・年金受給者の3種類あり、共通して記載されている事項は、これまでの年金加入期間・これまでの保険料納付額・最近(直近13月)の月別状況が記載されています。特に、就職、転職、退職をした時は、加入記録に誤りや漏れがないか、確認しましょう。

 さらに、50歳未満のハガキには、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。若い世代の人ほど、年金の加入期間が短いため、年金額は少ないですが、未来に向かってスキルアップ等し、年金額を増やせる期間といえます。

 50歳以上のハガキには、老齢年金の種類と見込額が記載されています。60歳未満の人は、現在の年⾦加⼊制度に60歳まで継続したと仮定して、65歳から受け取れる年⾦⾒込額が記載されています。60歳以上65歳未満の人は、ハガキ作成時点の年⾦加⼊実績に応じて、65歳から受け取れる年⾦⾒込額が記載されています。

 35歳・45歳・59歳の人は、節目の年といわれ、ねんきん定期便は水色の封書で届きます。ハガキ形式と大きく違う点は、全期間の月別状況が確認できるところです。今まで確認してなかった人は要チェックです。
ねんきん定期便の注意点
 50歳以上のねんきん定期便には年金見込額が記載されているため、退職後の生活設計や定年後の働き方を考えるうえで参考になります。ねんきん定期便に記載の有無等を含め、注意していただきたい点をまとめてみました(50歳未満の人には試算額はでません)。
注意点
会社員の期間だけでなく、公務員期間および私学共済期間がある人はそれぞれ計算した⾒込額が記載されています。
離婚などにより、年金分割をされた人は、分割後の標準報酬を基に計算しています。
厚⽣年⾦基⾦から⽀給される額(代⾏部分)も含めたと仮定して算出しています。
夫婦で生活設計を考える場合、加給年金・振替加算は記載されていません。
働きながら年金を受け取る人は、給与や賞与の額に応じて受け取る年金額が変わる可能性があります(在職老齢年金)。
繰上げ、繰下げを検討されている人は金額だけでなく、制度の確認が必要です。
まとめ
 年金の日を機会に、自身の年金記録を確認するとともに、未来の生活設計の参考に、ねんきん定期便を活用してはいかがでしょうか。
参考:
三角 桂子(みすみ・けいこ)
社会保険労務士法人エニシアFP 代表社員
FP・社会保険労務士

大学卒業後、公務員、専業主婦、自営業、会社員、シングルとあらゆる立場を経験し、FPと社会保険労務士として開業し、5年目に法人化(共同代表)。
FPと社会保険労務士の二刀流を強みに、法人・個人の労務、年金の相談業務やセミナー、執筆など、幅広く行っている。
常に自身の経験を活かし、丁寧な対応を心がけ、生涯現役に向かって邁進中。
法人名はご縁(えにし)に感謝(ありがとう)が由来。

公式サイト https://sr-enishiafp.com/

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