所得税の定額減税の実施は令和6年6月支給給与から

木下 洋子
2024.02.01

 令和5年12月22日に「令和6年度税制改正の大綱」が閣議決定された。物価高に対する国民の生活支援を目的に、一人当たり令和6年分の所得税3万円、令和6年度分の個人住民税1万円の定額減税を実施することとされている。法案が成立した場合には、給与担当者は令和6年6月支給分給与の源泉徴収から定額減税に対応する必要がある。令和6年分所得税の定額減税の給与収入に係る源泉徴収税額からの控除について、国税庁より実施要領の案が公表されたのでご紹介する。
所得税の定額減税の適用対象者
 令和6年分所得税について、定額による所得税額の特別控除の適用を受けることができる者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である者(給与収入のみの者の場合、給与収入が2,000万円以下である者)である。

 源泉徴収税額からの特別控除に際しては、年末調整を除き、合計所得金額にかかわらず実施し、年末調整時において合計所得金額が1,805万円超になると見込まれる場合(ただし年末調整の対象となる者に限る)には控除実施済額について調整する。

 年末調整において合計所得金額が1,805万円超かどうかを勘案する際には、基礎控除申告書により把握した合計所得金額(所得税法上の令和6年分の合計所得金額とし、退職所得金額を含む)を用いる。
所得税の定額減税額
 特別控除の額は、次の金額の合計額とする。ただし、その合計額がその者の所得税額を超える場合には、所得税額を限度とする。
1.
本人………3万円
2.
同一生計配偶者又は扶養親族(いずれも居住者に該当する者に限る。以下「同一生計配偶者等」という。)…1人につき3万円
(注)
「同一生計配偶者」は、居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く。)のうち、合計所得金額が48万円以下である者である。
また、同一生計配偶者には、源泉控除対象配偶者のうち、合計所得金額が48万円超95万円以下である配偶者は含まない。合計所得金額48万円超の配偶者は、配偶者自身が減税の対象となるので注意が必要である。
源泉徴収税額からの控除の実施方法
1.
令和6年6月1日において主たる給与等の支払を受ける者を対象として、令和6年6月1日以後最初の給与等(賞与を含む。以下同じ)の支払日(以下「給与支払日」という。)までに提出された扶養控除等申告書に記載された情報に基づき、特別控除の額を計算する。
2.
令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等について源泉徴収をされるべき所得税の額(控除前源泉徴収税額)から特別控除の額を控除する。
3.
2において控除しきれない部分の金額は、以後令和6年中に支払われる当該給与等(同年において最後に支払われるもの(年末調整をする場合)を除く。)に係る控除前源泉徴収税額から、順次控除する。
4.
控除後に扶養控除等申告書等に記載した事項の異動等により特別控除の額に異動が生じた場合、令和6年6月1日以後の中途入社があった場合等は、年末調整により調整する。
 しかし、令和6年分の給与収入に係る源泉徴収税額から控除しきれない額があった場合であっても、令和7年分の給与収入に係る源泉徴収税額から控除はしない。

 なお、上記の内容は国会を通過するまでは最終決定ではない。改正法案成立後の発表を改めて確認して頂きたい。
参考:
木下 洋子(きのした・ひろこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

群馬県出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。趣味はピアノを弾くこと。

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