給与所得の確定申告がさらに簡単に!

浅野 宗玄
2024.02.05

「給与所得の源泉徴収票」の情報をマイナポータル経由で取得
 国税庁は、給与所得の確定申告がさらに簡単になるとPRしている。今年2月(2023年分の所得税の確定申告)から、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」よりマイナンバーカードを利用してe-Taxで申告する際、勤め先(給与等の支払者)から税務署に提出された「給与所得の源泉徴収票」の情報を、マイナポータル経由で取得し、確定申告書の該当項目に自動で入力することができるようになる(マイナポータル連携)。

 マイナポータル連携を利用して、給与所得の源泉徴収票情報を取得するためには、勤め先(給与等の支払者、以下同)において、一定の対応がされていることが必要となる。まず、勤め先が、従業員(申告する人、以下同)の給与所得の源泉徴収票をe-Taxまたは認定クラウド等により税務署へ提出していることがある。給与所得の源泉徴収票には、「年間の給与等の支払金額が500万円を超えるもの」などの提出基準がある。
マイナポータル連携の対象とならない場合に注意!
 次に、上記の給与所得の源泉徴収票に、従業員のマイナンバー、氏名(カナを含む)、住所、生年月日等の情報が漏れなく正しく入力されていることがある。

 また、給与所得の源泉徴収票情報はマイナポータル連携の対象とならない場合に注意したい。それは、まず、勤め先が税務署に、従業員の給与所得の源泉徴収票を提出していない場合。給与所得の源泉徴収票には提出基準がある。

 さらに、勤め先が税務署に、従業員の給与所得の源泉徴収票を書面や光ディスク等により提出しており、e-Taxまたは認定クラウド等で提出していない場合や、勤め先から提出された従業員の給与所得の源泉徴収票について、従業員のマイナンバー、氏名(カナを含む)、住所、生年月日等の情報に漏れがある、もしくは正しく入力されていない場合、がマイナポータル連携の対象とならない場合に該当する。

 なお、年間の給与等の支払金額が500万円以下など、提出基準の範囲外の源泉徴収票であっても、勤め先が税務署に任意でe-Taxまたは認定クラウド等により提出している場合には、マイナポータル連携の対象となる。また国税庁では、勤め先から税務署への源泉徴収票の提出状況については、税務署に問い合わせしても答えることができないので、勤め先へ確認するよう要請している。
参考:
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト

1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍『生命保険法人契約を考える』
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.php

▲ PAGE TOP