入学前のこどもに起こりやすい事故を防ぐポイント

栗原 賢二
2024.03.25

 こどもの成長を見守る上で、どう安全を確保するかは重要なテーマです。保護者の予測を超えた行動による事故の心配は尽きませんが、こども家庭庁のリーフレットから、その傾向と予防法の一部を紹介します。
発達段階ごとに事故の傾向が変化
 我が国では、窒息や溺水など不慮の事故によって、14歳以下のこどもが毎年200人ほど亡くなっています。こども家庭庁では関係府省庁と連携しながら「こどもを事故から守る!プロジェクト」を推進する中で、事故防止のための様々な情報を発信しています。

 プロジェクトの一環として公表されている「こどもの事故防止ハンドブック」は、0歳から6歳(小学校に入学前の未就学児)の間に起こりやすい事故と予防法・応急手当など対処法のポイントをまとめたものです。

 事故の類型には「窒息・誤飲」「転落・転倒」「車・自転車関連の事故」「水まわりの事故」「やけど」「挟む・切る・その他の事故」があり、ハンドブックでは発達段階ごとに起こりやすい事故の内容が、一覧で把握できるページもあります。

 例えば窒息・誤飲について、体を自由に動かせない生後間もなくは「掛布団、ベッド上の衣類で窒息」などの危険があり、寝返りを打ったり物を口に運び始める生後6か月頃から「ベッドと壁の隙間などに挟まれる」「おもちゃなどの誤飲」といった事故が増える傾向です。
水まわりの事故は特に盲点となりやすい
 こどもの発達は大人が想像する以上に早く、少し前まで届かなかった場所の物を取ってしまうような場面が頻繁に起こります。一見安全な自宅でも誤飲や転落を防止するため、定期的に物の配置などを見直す必要があるでしょう。

 特に盲点となりやすいのが水まわりの事故で、水が貯まった状態の浴槽や洗濯機をこどもが覗き込んで落下、そのまま溺れてしまうケースもあります。溺れた水中では声が出せず、保護者が気づきにくい点にも注意が必要です。

 こうした事故を防ぐには、「入浴後は浴槽の水を抜く」「浴室にこどもが自由に入れないよう外鍵を付ける」「洗濯機にチャイルドロックをかけて蓋が開けられないようにする」といった方法があります。

 こども自身は意思を持って動いているため、あらゆる事故を完全に防ぐのは至難の業です。保護者としては命に関わる事態が起こらないか、心配が尽きないでしょう。

 それでも身の回りの環境整備などを通して、事故発生の確率を下げることは可能です。今回ご紹介のハンドブックを含め、起こりうるリスクと対策を把握することが大切なポイントになります。
参照:
(セールス手帖社 栗原賢二)

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