令和6年3月決算法人の改正項目

村田 直
2024.04.11

 3月決算の会社については、5月末の申告期限に向けて、準備が必要な時期となった。そこで、前期決算から改正となった項目のうち、主なものをご紹介する。なお、紙面の都合上、各項目については内容を一部割愛してまとめている。
研究開発税制
 研究開発税制について、次のような見直しが行われている。
【一般型】
①控除上限の見直し
 売上高試験研究費割合が10%超の場合は通常の控除上限(25%)に10%まで上乗せ。
②控除率の見直し
【オープンイノベーション型】
③スタートアップの定義の見直し
④高度研究人材の活用を促す措置の創設
【試験研究費の範囲の見直し】
⑤サービス開発
 ビッグデータやAI等を活用したサービス開発において、データの収集だけでなく、「既存データ(企業が既に保有しているビッグデータ)」を利活用する場合も税制の対象に追加する。
⑥デザインの設計・試作
 考案されたデザインに基づく「設計・試作」のうち、性能向上を目的としないものは、税制の対象外とする。
【中小企業技術基盤強化税制】
⑦中小企業向け研究開発税制
 増減試験研究費割合に応じた控除率・控除上限の上乗せ措置を一部見直す。
暗号資産の評価方法等
 暗号資産の評価方法等について、法人が事業年度末において有する暗号資産のうち時価評価により評価損益を計上するものの範囲から、次の要件に該当する暗号資産を除外する。
自己が発行した暗号資産でその発行の時から継続して保有しているものであること。
その暗号資産の発行の時から継続して次のいずれかにより譲渡制限が行われているものであること。
(イ)
他の者に移転することができないようにする技術的措置がとられていること。
(ロ)
一定の要件を満たす信託の信託財産としていること。
 上記については、令和5年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用され、同日前に開始した事業年度の所得に対する法人税については、従前通りとなる。
中小企業投資促進税制
 中小企業投資促進税制について、対象資産から、コインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供する機械装置でその管理のおおむね全部を他の者に委託するもの等を除外した上で、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
中小企業経営強化税制
 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)について、特定経営力向上設備等の対象からコインランドリー業又は暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除外した上で、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
http://www.money-c.com/
http://sogyo5.money-c.com/
マネーコンシェルジュ税理士法人がお届けする無料オリジナルマガジン
『あんしん相続通信』
保険営業マンの皆さんへ
お客様への情報提供ツールとして、ご利用ください(コピー配布可)。
右下の申込書の最下段に、ご自身のお名前をご記入の上、お客様にお渡しください
もし、そのお客様から生命保険のご相談があった場合には、必ずご紹介させていただきます。
ご希望の方は、下記申込書にご記入の上、06-6450-6991までFAXください。
https://www.money-c.com/kr/ASTapplication.pdf

▲ PAGE TOP