シニア世代の保険、受け取った保険金にかかる税金についての確認

西海 重尚
2024.05.20

個人年金保険から受け取る年金には税金がかかる
 老後生活資金の準備のひとつとして、個人年金保険に加入している人は多い。60歳や65歳などになると、個人年金保険から保険金(年金)の受取りを開始するのであるが、受取時に税金がかかることは案外知られていない。自分が契約者となって保険料を負担し、自分で受け取る契約形態の場合、雑所得として所得税・住民税が課税される。

 また、自分が契約者となって保険料を負担して、妻が年金を受け取る契約形態の場合には、さらに年金受給権というものに贈与税がかかってくる。

 2000年頃までに加入したものであれば、今よりも予定利率が高く、その分税金の負担が多くなることが考えられるため注意が必要である。

 なお、個人年金保険は年金ではなく一括して受け取ることもできる。この場合、自分が契約者となって保険料を負担し、自分で受け取るという契約形態であれば、一時所得として所得税・住民税が課税される。一時所得では、一括して受け取った金額から支払った保険料の総額を差し引き、さらに特別控除額として50万円を差し引いた金額の1/2が課税されるため、年金として受け取るよりも税負担を軽減できる可能性がある。
非課税で受け取れる保険金はあるの?
 では受け取る保険金にはすべて税金がかかってくるのか、ということになるが、非課税で受け取れる保険金もある。具体的には、医療保険から支給される入院保険金や手術保険金、がん保険から支給されるがん診断給付金、介護保険から支給される介護保険金などである。

 基本的には、病気やケガを原因として支給される保険金や給付金は非課税と考えればよい。シニア世代であれば、病気やケガで医療機関にかかるケースも多くなるが、その際に医療保険などから受け取る保険金や給付金は非課税である。
相続対策で注意、契約形態で異なる死亡保険金の課税関係
 そしてシニア世代になると注意しておかなければならないのが、自分が亡くなったときの死亡保険金の課税関係である。死亡保険金を受け取ったときの課税関係をまとめると次のようになる。
【死亡保険金を受け取ったときの課税関係例】
契約者
(保険料負担者)
被保険者 死亡保険金
受取人
税の種類 備考
相続人 相続税 生命保険金の非課税の特典あり
相続人以外 相続税 生命保険金の非課税の特典なし
所得税(一時所得)・住民税
贈与税
 このように契約形態によってかかってくる税金が異なるため、相続対策で生命保険を活用する際には注意が必要になる。

 なお、「生命保険金の非課税の特典」とは、受け取った死亡保険金のうち、500万円×法定相続人の数までの金額が非課税となるものである。たとえば、受け取った死亡保険金が3,000万円で、法定相続人が妻と子ども2人の3人であれば、3,000万円のうち1,500万円(500万円×3人)は非課税となる。

 この非課税の特典を利用できるか否かで相続税の税負担が変わってくるため、ぜひ確認しておきたい。
西海 重尚(にしうみ・しげひさ)
西海FP事務所 代表
CFP®認定者、1級 ファイナンシャル・プランニング技能士、公的保険アドバイザー、終活アドバイザーなどの資格を保有。

慶應義塾大学 経済学部卒。
33年間のサラリーマン生活において大手損害保険会社、生命保険会社、FP系出版社に勤務。
現在は独立系FPとなり、保険のアドバイザーとして活動中。

自己紹介用ホームページ https://fuku29390fpo.com

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