代表取締役等住所非表示措置、10月から開始

村田 直
2024.06.06

代表取締役等住所非表示措置とは?
 現在、法人の登記事項証明書には代表取締役等の住所が表示されているが、令和6年10月1日から新たに「代表取締役等住所非表示措置」が始まる。

 「代表取締役等住所非表示措置」は、一定の要件の下、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人の住所の一部を登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービスに表示しないこととする措置である。
申出は登記申請時のみ可能
 この措置の要件は2つある。
1.登記申請と同時に申し出ること。
2.所定の書面を添付すること。
 代表取締役等住所非表示措置を講ずることを希望する者は、登記官に対してその旨を申し出る必要があるが、その申出は、設立の登記や代表取締役等の就任の登記、代表取締役等の住所移転による変更の登記など、代表取締役等の住所が登記されることとなる登記の申請と同時にしか行うことができない。

 また、申出に当たっては、以下の区分に応じた書面の添付が必要となる。
上場会社である株式会社の場合
 株式会社の株式が上場されていることを認めるに足りる書面
 (既に代表取締役等住所非表示措置が講じられている場合は不要)
上場会社以外の株式会社の場合
 以下の(1)から(3)までの書面
 (既に代表取締役等住所非表示措置が講じられている場合は、(2)のみ)
 (株式会社が一定期間内に実質的支配者リストの保管の申出をしている場合は、(3)は不要)
(1)
株式会社が受取人として記載された書面がその本店の所在場所に宛てて配達証明郵便により送付されたことを証する書面等
(2)
代表取締役等の氏名及び住所が記載されている市町村長等による証明書(例:住民票の写しなど)
(3)
株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書面(例:資格者代理人の法令に基づく確認の結果を記載した書面など)
注意点
 代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合でも、代表取締役等の住所が全て非表示になるわけではなく、最小行政区画(例:東京都大田区)までは登記事項証明書等に記載されることとなる。

 また、代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合であっても、会社法に規定する登記義務が免除されるわけではないため、代表取締役等の住所に変更が生じた場合には、その旨の登記の申請をする必要がある。

 最後に、代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合には、登記事項証明書等によって会社代表者の住所を証明することができないこととなるため、金融機関から融資を受けるに当たって不都合が生じたり、不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増えたりするなど、一定の支障が生じることが想定されるため、申出前に、このような影響があり得ることについて、慎重かつ十分な検討を行うよう、法務省から注意喚起がなされている。
出典:
村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

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