15歳のおこづかいは平均4,787円

森田 和子
2024.07.08

 子どもは成長するにつれて、自分でお金を管理していくようになります。保護者にとっては、子どもがどのくらいお金について理解しているかが気になるところです。金融広報中央委員会が、義務教育を終了した高校1年生3,000人を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施しています。その結果を見ていきましょう。
買う前に、必要なものか、欲しいものかを考える
 調査結果によると、おこづかいの平均は月4,787円、そのうち63.1%が貯金をしています。お年玉の平均は32,853円、貯金をしているのは81.0%です。また、「ものを買う前に、必要なものか、欲しいものかについて考えて買うようにしている」(74.8%)、「買い物をする時、情報を集めて、複数のお店や商品と比較してから買うようにしている」(58.3%)の回答も半数を超えており、なかなか堅実な姿勢が見て取れます。
知識が不十分な項目も
 アンケートには、金融・経済の基礎や資産形成についての知識を測る項目も設けられていますが、結果からは、物価、リスクとリターン、複利の基本の理解が十分ではないことが伺われます。例えば、「電話で注文しただけでは口約束なので、売買契約は成立していない」は誤り、「リスクが低くリターンが高い金融商品はない」が正しいと理解できているのは、いずれも5割未満ですが、詐欺などの被害などに合わないためにも、理解しておきたい項目です。
学校でお金のことを教えてほしいが約8割
 「学校の授業でお金のことについて教えてほしいか」の項目には、79.8%がそう思うと回答しています。また、学校の授業で教えてほしいお金のことについての上位は次のようになっています。
お金のトラブルの回避方法・対処方法(59.6%)
ローン(住宅ローン・教育ローン・奨学金など)の仕組みや活用方法(55.8%)
収入と支出の管理(55.5%)
 FPから見ても、親元から独立する前に身に付けておきたい知識です。学校での取り組みにも期待していますが、ご家庭でも、お金について話す機会が持てるとよいのではないでしょうか。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

ライフプランシミュレーションとマイホーム・老後の資金計算
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