会社をM&Aする時の価格(譲渡価額)の決め方

山崎 美穂
2024.07.25

小規模の会社に価格をつける際の算定方法とは?
 第三者承継(M&A)をお考えの際、「そもそもM&Aをする際に会社に対して価格を決めてマッチングや交渉をしているが、どのように算定しているのだろうか?」と疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないだろうか。

 土地のような路線価や固定資産税評価額などの目安となる公的指標はM&Aには無い。また、会社の規模が小さくなるほど、事例となる過去の取引情報も少ない。

 小規模企業のM&Aの際、一般的によく価格算定で用いられるのが、【簡便的価格算定方法】である。
簡便的価格算定方法
 下記の計算式に数値を当てはめて価格(譲渡価額)を算定する。
承継直前期の利益金額 × 〇年分 + 時価純資産価額
<承継直前期の利益金額>
 損益計算書に記載されている営業利益や税引き後利益の数字に、減価償却費を加味するなどの調整を行い、上記計算式に当てはめる。
<〇年分>
 営業権のようなイメージで直近の儲けの数年分を譲渡価額に反映する。
 例として、“業種として今後も売上の伸びが期待できそう”など、売却対象の利益構造が承継後も続きそうであれば長い期間が加味され、“一過性の部分がある”となれば短い期間が上記計算式に当てはめられる。一般的には「1~3年」が多いように思う。
<時価純資産価額>
 貸借対照表の資産及び負債を時価算定し、その差額を求めたものを上記計算式に当てはめる。
時価算定とは、「資産」については在庫や機械などを時価に洗い替えし、「負債」については退職金などの“隠れ負債”がある場合には、それを加味することをさす。
会社の価値UP=譲渡価格のUP
 譲渡企業の経営者の方に知っておいていただきたいのが、上記の簡便的価格算定方法の場合、承継直前期の売上や利益を上げることができれば、会社の価格(譲渡価額)を高くすることが可能であるという点である。

 もし、それほど売上や利益を上げられずとも、「売上や利益が上がる傾向にあるのか」「下がる傾向にあるのか」というトレンドも、価格算定や他の条件に影響を与えるので、たとえわずかでも上昇局面を作っておくということをお勧めする。
山崎 美穂(やまざき・みほ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。
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