令和6年分の年末調整事務

木下 洋子
2024.10.17

令和6年分所得税の定額減税の実施
 令和6年分所得税について、定額による所得税の特別控除(以下「定額減税」という。)が実施されている。年末調整の際には、年末調整時点の定額減税の額(以下「年調減税額」という。)を算出し、年間の所得税額の計算を行う。
(1)年末調整の際に定額減税の対象となる人
 年末調整の対象となる人が、原則として、年調所得税額(年末調整により算出された所得税額で、住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合にはその控除後の金額をいう。以下同じ。)から年調減税額を控除する年調減税の対象者となる。
 ただし、年末調整の対象となる人のうち、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる人については、年調減税額を控除しないで年末調整を行うことになる。
(注)
年末調整において合計所得金額が1,805万円を超えるかどうかを確認する際には、基礎控除申告書などにより把握した合計所得金額を用いる。
(2)年調減税額の計算
 年調減税額は、「本人30,000円」と「同一生計配偶者と扶養親族1人につき30,000円」との合計額となる。
 年調減税額の計算に当たっては、「扶養控除等(異動)申告書」や「配偶者控除等申告書」などから、年末調整を行う時の現況における同一生計配偶者の有無及び扶養親族(同一生計配偶者及び扶養親族はいずれも居住者に限る。)の人数を確認する。なお、同一生計配偶者(居住者に限る。)を年調減税額の計算に含めるためには、給与所得者が、「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書」にその配偶者を記載して提出する必要がある。
【年調減税額】
(3)年調減税額の控除
 年調減税額の控除は、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除後の所得税額(年調所得税額)から、その住宅借入金等特別控除後の所得税額を限度に行う。
令和6年の年末調整計算の注意点
 なお、国税庁で作成している「令和6年分給与所得に対する源泉徴収簿」右側の「年末調整」欄は、年調減税額の控除等の計算に対応していない。このため、年調減税額の控除等の計算に対応した①「令和6年分年末調整計算表」又は②「年末調整計算シート(令和6年用)」の様式等を別途利用するか、③「令和6年分給与所得に対する源泉徴収簿」の余白部分等を用いることにより、年調減税額の控除を正しく行った上で、年調年税額を算出する必要がある。

 「令和6年分年末調整計算表」、「年末調整計算シート(令和6年用)」(Excel)は、国税庁ホームページに掲載している。この年末調整計算シートを利用すると、年調減税額の控除等の計算の一部が自動計算される。
その他変更点(手続きが簡易化されたもの)
 令和6年10月1日以後に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」について、記載するべきとされる保険金の受取人等に係る情報のうち、申告者との続柄の記載を要しないこととされた。

 また、令和7年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について提出する「給与所得者の扶養控除等申告書」等は、その申告書に記載すべき事項がその年の前年の申告内容から異動がない場合には、その記載すべき事項の記載に代えて、その異動がない旨の記載によることができることとされた。
参考:
木下 洋子(きのした・ひろこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

群馬県出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。趣味はピアノを弾くこと。

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