法定相続情報証明制度は、相続人から相続関係を一覧に表した図（法定相続情報一覧図）とともに、戸除籍謄本等の束を登記所に提出し、一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合致していることを登記官が確認した上で、その一覧図に認証文を付した写しを無料で交付するというものである。

 法定相続情報一覧図の写しは、戸除籍謄本等の束の代わりに相続登記に利用することができるため、本制度を利用すれば、複数の法務局に戸除籍謄本等の束を出す必要がなくなる。さらに、相続登記の申請手続のほか、被相続人名義の預金の払戻し手続、相続税の申告、被相続人の死亡に起因する年金等手続など、様々なものがあり、これらの手続においても、戸除籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなるというメリットがある。なお、法定相続情報一覧図の写しは、図形式と列挙形式により作成することができるが、相続税申告書の添付書類として利用するときには、図形式のものであることが必要とされる。

 法定相続情報番号とは、法定相続情報一覧図の写しの右肩部分に記載される、法定相続情報を識別するための番号をいう。

 令和6年4月1日から、登記申請書の添付情報欄に法定相続情報番号を記載することで、法定相続情報一覧図の写し（証明書の原本）の添付を省略できるようになった。