郵便料金の値上げにどのように対処する?

飯田 道子
2024.11.18

 2024年10月1日より、郵便料金が変更になりました。これにより、ビジネスにかかるコストも増えてしまい、対応を迫られている会社も多いようです。今回は、郵便の代わりに使えるものにどのようなものがあるのか、どのくらいコストが抑えられるのか考えてみましょう。
定形郵便物は110円に!はがきは85円に!
 請求書等を送る封筒は、「定形郵便物」に区分されます。以前は25gまでが84円、50gまでが94円となっていましたが、新料金では重量区分が統合され50gまでが110円に変更されました。これにより、2つの料金形態が1つになったことになります。

 単純計算では、今までよりも1通につき26円もしくは16円の負担増となることから、例えば封書のダイレクトメールを毎月1,000通送っている会社では、月あたりのコストが26,000円もしくは16,000円の負担増になります。

 通常はがきについては、63円だったものが85円に値上がりしました。普段、あまりはがきは使わない人であっても、年賀状くらいは書く人が多いのではないでしょうか? 最近では年賀状終いをする人もいますが、お世話になった方々には義理堅く送り続ける人も一定数います。例えば通常の年賀状はがきを1人で100通送る場合、2,200円の負担増になりますので、家族全員が年賀状を送るような家庭では、家計への負担はかなり大きくなることが予想されます。

 また、レターパック(A4サイズ・4kgまで全国一律料金で信書も送れるサービス)も、対面でお届けするレターパックプラスは520円から600円へ、郵便受けへお届けするレターパックライトは370円から430円へ値上がりしました。ほかにも、例えば定形外郵便物(50g以内)は120円から140円へ、速達(250g以内)は260円から300円へというように料金が変更されています。
他のシステムで代用するのも一つの方法
 最近では郵便に代わってメール等でやり取りする会社は増えている一方、どうしても現物を送らなければならないケースもあります。そのような場合、どのようにしたらコストカットできるのか、代用可能なサービスを紹介します。

 佐川急便では、法人による発送に限られますが、飛脚メール便や飛脚ゆうメール便を利用できます。飛脚メール便は300g以内なら168円、最高1㎏まで送ることができ、料金は325円です。飛脚ゆうメール便は200g以内なら115円、500g以内で168円、最高3㎏まで送ることができ、料金は456円です。飛脚メール便で送れるのは法人のみですが、飛脚ゆうメール便なら法人だけでなく個人にも送ることができますので、ビジネスの強い味方になりそうです。

 ヤマト運輸の「ネコポス」なら個人間のやり取りも可能で、ヤマト運輸と契約のあるメルカリやヤフオク等の個人間取引サイトで取り引きされた場合に限り利用できます。その他、ヤマト運輸と契約している法人や個人事業主も利用可能です。

 料金は会社によって違いますので、あらかじめサイトで確認しておくと良いでしょう。

 年賀状については、若い世代を中心にLINE等で気軽に挨拶する人が増えていますが、もう少しフォーマルにしたいなら、無料でメールできる「NetCARD」のグリーティングカードがおすすめです。季節にあわせたカードがラインナップされており、受け取る側も開封が楽しみに感じられるものが多くありますよ。

 何かと物入りの年末年始だからこそ、通信コストを抑えることも考えてみてはいかがでしょうか?
※本文中の料金はいずれも税込み金額です。
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)

 金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
 海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。

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