婚姻20年以上の夫婦間なら贈与税の配偶者控除

今村 京子
2024.11.21

夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
 夫婦間であっても、夫名義の定期預金を妻名義に書き換えた場合は、夫から妻への贈与となり、贈与税がかかる。

 しかし、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合は特例があり、贈与税の申告をすることにより基礎控除額110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できる。なお、配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができない。
特例の適用を受けるための要件
 贈与税の配偶者控除の特例の適用を受けるには次の要件を満たす必要がある。
(1)
夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと。
(2)
配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産であることまたは居住用不動産を取得するための金銭であること。
(3)
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。
 なお、居住用不動産とは、専ら居住の用に供する土地もしくは土地の上に存する権利または家屋で国内にあるものをいう。
提出書類等
 贈与税の申告書に、次の書類を添付する必要がある。
(1)
財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の謄本または抄本
(2)
財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し
(3)
居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証するもの
 なお、金銭ではなく居住用不動産の贈与を受けた場合は、上記の書類のほかに、その居住用不動産を評価した評価明細書などの書類の提出が求められる。

 最後に、相続があった場合の取扱いを確認すると、被相続人から生前に暦年贈与によって取得した財産のうち加算対象期間内(令和6年1月1日以後の暦年贈与により取得した財産については、相続開始前7年以内)に贈与されたものは、被相続人の財産の価額に加算することになる。しかし、贈与税の配偶者控除の適用を受けているまたは受けようとする財産のうちその配偶者控除額に相当する金額は、加算する必要がない。
今村 京子(いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。
平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。
年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で娘2人。趣味は英語学習とガーデニング。

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